「それどころじゃないよ。(習近平は)鄧小平を超え、できれば毛沢東を超えたいと思っている」(写真:AFP/アフロ)
「それどころじゃないよ。(習近平は)鄧小平を超え、できれば毛沢東を超えたいと思っている」(写真:AFP/アフロ)

 中国共産党は今年、創立100周年を迎える。7月1日に記念大会を開き、総書記である習近平(シー・ジンピン)の重要講話も予定している。中国共産党は、正確には1921年7月23日に上海で誕生した。だが、それに参加したはずの毛沢東(マオ・ツートン)が著作『持久戦論』の中で、7月1日が「生誕記念日」だと書いてしまったので、結局、7月1日になった。

 中国共産党は、江沢民(ジアン・ズォーミン)時代の1997年に「2つの100年」という目標を打ち出した。1つがこの「建党100年」である。そして、もう1つが2050年の「建国100年」。1949年10月1日に中華人民共和国が誕生してから100年という意味だ。建国100年は、正確には2049年のはずなのだが、21世紀中葉、あるいは2050年という言い方をしている。

 それぞれ100年目の年に何を実現するかを定めており、いわば国民に対する公約と言ってよい。中国共産党は目標を定め、動員をかけ、実現するというやり方をとる。「2つの100年」も、その延長線上にある。100年は中国においても特に重要な節目であり、「2つの100年」は中国共産党が打ち出しているさまざまな目標の中でも格別の意味を持っている。

習近平が示す「2つの100年」

 習近平は、2017年の党大会での政治報告において「2つの100年」の中身をさらに具体化した。後述するように、共産党の過去の栄光や、これまでの経済的な成果を誇るだけでは国民はもはや満足しない時代に入ったからだ。将来の姿をもっとはっきり約束しないと、国民との関係が保てない。

 習近平は「2つの100年」の間、つまり2020年と2050年の間に、2035年というもう1つの目標を設定した。今のご時世はスピード感が重要だ。30年後の話では遠すぎるため、15年ごとの区切りとしたのだろう。

 習近平が示した青写真は、以下の3つからなる。(1)2020年までに「ややゆとりのある生活ができる社会(小康社会)の全面的建設」を予定通り完成させる。(2)「社会主義現代化の基本的実現」を2035年までに達成し、先進国の仲間入りをする(江沢民が2050年の目標として掲げたものの1つを15年繰り上げ)。(3)2050年の「建国100年」には「社会主義現代化強国」(江沢民が2050年の目標として掲げたもう1つの目標の変形)を実現し、世界の先進国のトップグループに入る。

 最後の「社会主義現代化強国」には「富強の、民主的、文明的な、調和のとれた美しい」という形容詞がつく。江沢民は2002年、「富強の、民主的、文明的な社会主義国家」という表現を使っていた。習近平の「強国」好み、国民社会のありようへの強い関心が見て取れる。時代の要請に応え、中国を新しい方向に導こうとする努力の一環でもある。

続きを読む 2/3 「建党100周年で何を祝う」を巡る闘争

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