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(写真:ロイター/アフロ)

 足元の世界株式市場は、ようやく上昇基調に入ってきました。当面はこの上昇が続くと予想しています。現在の株式市場については、新型コロナウイルス相場の第1幕から第2幕に移行する途中と考えています。今回は株式相場が上昇した背景、今後の見通し、リスクシナリオなどについてお話しします。

徹底した新型コロナ対策が株価を押し上げ

 先程述べたように、新型コロナ相場は第1幕から第2幕へ移行する途中と考えています。第1幕について振り返ってみましょう。ポイントとなったのは、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす影響をいかにして抑制するか、でした。今年に入ってからの株価の急落は、景気や企業業績の悪化よりも、新型コロナの感染拡大が止まらないのではないかという恐怖感が原因となったものでした。

 しかし、各国が外出制限を含む厳しい規制を導入し、その結果、被害の大きかったスペインやイタリアでも新規感染者数が減少に向かうなど状況に改善が見受けられるようになりました。また米国では、被害の大きかったニューヨーク州で死者数の減少が報じられています。このように、新型コロナを巡る欧米の情勢が改善し始めたことが、株式市場が上昇に転じた最大の理由です。

 加えて、各国政府による大規模な景気対策の発表や、各国中銀による大規模な金融緩和も株価を押し上げました。

再発リスクを残したままの早期規制緩和は悪材料

 現在は第1幕の途中であり、徐々に第2幕に移行すると予想しています。第2幕においては、新型コロナそのものに代わって景気や企業業績、特に企業の破綻の有無などがポイントになると考えています。

 米国や欧州では新型コロナの感染拡大に減速の兆しが見られます。このため、欧米で規制の緩和を検討する動きが始まっています。この規制緩和はコロナ相場の第2幕を考える上でのポイントの1つと見ています。

 欧州では新型コロナの感染再燃を警戒して慎重な緩和を支持する向きが多いようです。これに対して米国では11月に大統領選を控えたドナルド・トランプ大統領が早期の規制緩和を目指しています。ただし、新型コロナの被害が大きかったカリフォルニアやニューヨークなど有力州の知事が結束して反対しているため、トランプ氏の思惑通りに進むかどうかは不透明な状況です。

 ここからは早期緩和が株式市場に与える影響について考えてみます。一般には早期緩和は株価にプラスとの見方が多いようですが必ずしもそうとは言えません。新型コロナの問題が実際に落ち着いた上での早期緩和であれば、景気や企業業績にとってプラスとなるため株式市場にも好材料になると思われます。しかし、再発するリスクが残っているにもかかわらず、景気を重視して早期の規制緩和に踏み切れば、逆に株式市場に悪影響を与えることになりかねません。新型コロナの状況に注意しながら、緩和のタイミングについて評価することが大切でしょう。