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インドは3月24日、国土全域を封鎖に踏み切った(写真:AP/アフロ)

 3月19日の拙稿「新型コロナと株式市場、株価はいったん底入れと見る理由」では、これまでのような株式市場の急落は終了し、今後は広めのボックス圏相場にシフトしていくと述べました。その後、ボックス圏とまではいきませんが、株式市場はいったん下げ止まった形となっています。今回は前回の続編として株式市場が下げ止まった理由や今後の見通しについて考えてみます。

人類も戦えるとの手応えが株価下げ止まりの条件

 まず株式市場が下げ止まった理由について考えます。もちろん金融緩和や経済対策の効果(心理的なものも含めて)もあったでしょうが、筆者がそれ以上に重要なポイントだったと考えているのが新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)対策の進展です。

 新型コロナの存在が表面化した当初、このウイルスについてはほとんど何も分かっていませんでした。このウイルスに感染して発症すると、そのまま死んでしまうと思っていた方も多かったのではないかと思います。株式市場は不透明感を嫌います。こうした状況では投資家が慎重になるのも無理はないでしょう。

 しかし、現在では様々なことが分かっています。感染予防には手洗いが有効なこと、換気が悪い密閉空間や人が密集した場所は感染のリスクが高いことなどです。新型コロナに関するこのような知識が蓄積されることで恐怖が薄らいだことや、それによりコロナ対策が整備されたことは、株式市場が下げ止まるのに大きな役割を果たしたと思います。

 現時点で最も有力な新型コロナ対策となっているのが外出規制です。最初に新型コロナの存在が発見された中国をはじめ、先進国から新興国まで様々な国が採用しています。日本でも強制力はありませんが、政府や自治体が国民に「要請」する形で、外出の自粛を求めています。将来、ワクチンや治療薬が開発されるまで外出規制が新型コロナ対策の中核を担うと思われます。

 外出規制を含むコロナ対策は、景気への影響が大きいため、政治家は採用に慎重になりがちです。そのため手遅れになることもあります。今回その轍(てつ)を踏んでしまったのがドナルド・トランプ米大統領です。

 新型コロナが猛威を振るい始めた当初、トランプ氏は高みの見物といった姿勢で、新型コロナが米国に上陸しても「米国は大丈夫」と繰り返し発言していました。株式市場の急落を受けて、ようやく米国が危機的な状況にあることを認め、国家非常事態を宣言し新型コロナ対策に乗り出しました。それでもトランプ氏が景気を気にするあまり、全米での外出規制の導入は主要州政府などに遅れることになりました。

 ただこの間、中国の事例もあり、世界的にはコロナ対策としての外出規制の有効性が認識され、多くの国が採用するようになりました。大げさな言い方になりますが、「これで人類も戦える」との手応えが、株式市場の下げ止まりにつながったと考えています。