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国家非常事態を宣言するトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)

 3月11日の拙稿「新型コロナ相場を左右する2つのポイント」では、米国のドナルド・トランプ大統領が「米国は新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)にも大丈夫」という前言を撤回して、本格的な新型コロナ対策に乗り出せば株価は上昇、そうでなければ下落すると述べました。

 幸いなことに、その後トランプ氏は、明確な前言撤回こそないものの、米国が非常事態にあることを宣言。これにより米国は本格的な新型コロナ鎮圧に乗り出すことになりました。具体的な対策としては、州政府 に対する最大500億ドル(約5兆4000億円)の支援金のほか、学生ローンの利息免除、戦略石油備蓄の積み増しなどです。

 今回は前回のフォローアップとして今後の新型コロナ問題や株式市場の見通し、新型コロナが政治や国際情勢に与える影響などについて考えてみます。

株式市場は下落からボックス圏での動きへ

 「株式市場はまだどうなるか分からない」とお考えの方も多いと思いますが、筆者は今までのような急落は終了、今後は広めのボックス圏(2万1000~2万5000ドル)での動きにシフトしていくと予想しています。まずこの点について説明します。

 最近の世界的な株価の急落は、単に新型コロナによる景気や企業業績の悪化を反映しただけのものではありません。それだけであれば、FRB(米連邦準備制度理事会)が3月3日に実施した前回の緊急利下げがもっと効果を発揮したと思います。現実がそうならなかったのは、市場が危惧していたのが米国における新型コロナの爆発的な感染そのものだったからです。

 なお15~16日にFRBや日銀が相次いで新たな金融緩和に踏み切りました。けれども、日本株に対してそれほどプラスの影響は見られません。このことからも、今回は金融政策よりも新型コロナ対策が市場での関心事になっていると思います。また16日の米国株の大幅下落については、米国が厳しい状況にあることをトランプ氏が認めたことが、投資家の不安を増幅させたためと考えています。しかし、このトランプ氏の新たな現状認識は今後のコロナ対策に必要なものです。投資家がこの点を理解すれば、逆に株価の押し上げ要因になると見ています

史上最大の催促相場

 新型コロナ発生以来、トランプ氏は「米国は大丈夫」との姿勢を貫いてきましたが、日に日に状況は悪化。このままでは米国、ひいては世界が大変なことになりかねないという懸念が高まりました。こうした状況における株価の急落は、トランプ氏にそれまでの姿勢の再考と、積極的な新型コロナ対策への転換を促すものであり、史上最大の催促相場と呼べるものだったと思います。幸いトランプ氏が方針転換したことにより、米国中にウイルスがまん延するという最悪のシナリオは回避されることになりました。これが、株式市場が今後、急落からボックス圏での動きにシフトすると筆者が考える理由です。