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アイオワ州では僅差の2位、ニューハンプシャー州では1位を獲得したサンダース氏(写真:AP/アフロ)

米民主党の大統領候補選びが、緒戦の2州を終えた。目を引くのは、ブティジェッジ氏という新星の登場と、サンダース氏のしぶとい強さ。米国政治に詳しい中林美恵子・早稲田大学教授はサンダース氏のうちに、トランプ大統領と同じ強さを見る。果たして、その強さとは。

(聞き手 森 永輔)

11月の米大統領選挙に向けた民主党の候補者選びで、アイオワとニューハンプシャー(NH)の2州で大勢が決しました。

 2月3日に投開票されたアイオワ州ではピート・ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長が首位(得票率は26.21%、獲得代議員数は14)*を獲得。バーニー・サンダース上院議員が2位(26.1%、12)に付けました。2月11日に実施されたNH州では両者が順を入れ替えて、サンダース氏が首位(25.7%、9)を奪取。ブティジェッジ氏が2位(24.4%、9)でサンダース氏に次ぎました。

 中林さんは、ここまでの展開でどこに注目しますか。

新鮮味のある候補を推すメンタリティー

中林:大きく2つあります。1つは、この小さな2つの州には、ジョー・バイデン氏のような全国的に人気の高い実績のある候補ではなく、新鮮味のある候補、下馬評に名前が挙がっていない候補を推そうというメンタリティーが存在することです。それが、ブティジェッジ氏の躍進を生みました。エイミー・クロブシャー上院議員がNH州で3位(19.8%、6)と伸びたのも同様です。

中林美恵子(なかばやし・みえこ)
早稲田大学教授。専門は米国政治。米ワシントン州立大学修士(政治学)、大阪大学で博士(国際公共政策)を取得。元衆議院議員。経済産業研究所研究員や財務省財政制度等審議会委員など歴任。米国在住14年のうち10年間は米連邦議会上院予算委員会の連邦公務員(共和党)として国家予算編成を担った。(写真:菊池くらげ)

かつてビル・クリントン氏がNH州で2位になったことで勢いを得て、そのまま民主党の候補となり、共和党のジョージ.H.Wブッシュ氏を破り、大統領の座を射止めたことを思い出します。こちらは共和党ですが、ドナルド・トランプ氏が最初の勝利を得たのもNH州でした。

中林:そうですよね。この両州には、こうした独特のメンタリティーが存在するのです。