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(提供:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

 朝鮮労働党が2021年1月5日から12日まで8日間にわたって第8回党大会を開催した。これまで開催された党大会の中では、過去2番目に長い党大会であった。8日間の会期は1961年9月に開催された第4回党大会と同じ日数。最も長くて12日間に及んだ1970年11月の第5回党大会よりは短い。この第8回党大会において、金正恩(キム・ジョンウン)が総書記に推戴されたことが注目されている。

「総書記」は永久欠番ではない

 金正恩を党総書記に推戴する「朝鮮労働党第8次大会決定書 朝鮮労働党総書記選挙について」が1月10日に採択され、朝鮮労働党の最高職位が「委員長」から「総書記」になった。2016年5月に開催された第7回党大会で、党の最高職位が「第1書記」から「委員長」に変わっていたので、朝鮮労働党の最高職位は実に目まぐるしく変わっている。しかも、決定書の表題は「朝鮮労働党総書記選挙について」であるが、実際には我々が考えるような選挙を実施した様子がない。つまり、「推戴」が「選挙」に含まれると解釈しているようである。

 総書記について「永久欠番ではなかったのか」という疑問が上がっていたようだが、これは古い認識である。もともと、永久欠番という北朝鮮の報道はない。「永久欠番」との認識は、2012年4月11日に朝鮮労働党第4次代表者会の場で、金正恩の父である金正日(キム・ジョンイル)を「永遠の総書記」としたことから推定したものであろう。このとき、党規約の序文も修正し、このことを盛り込んでいる。同時に、党の最高職位も「第1書記」に変更した。

 しかし、2016年の朝鮮労働党第7回党大会で、党規約の序文を修正し、「偉大な金正日同志は、朝鮮労働党の象徴であり、永遠の首班である」と新しく規定した。このことは、「労働新聞」などが報道している。よって、少なくともこの時点で、総書記は永久欠番ではなくなっていた。だから、金正恩の総書記推戴は、党規約上は可能となっていたのである。

 ちなみに、政府の最高職位である主席(President)も同じ経緯をたどっている。1998年9月5日に憲法の序文が修正され、「偉大な首領・金日成*同志を共和国の永遠の主席」という一文が入った。このために、主席は永久欠番だと考える向きが多かった。しかし、この規定も、2016年6月29日に憲法を修正する際、序文から削除した。よって、少なくとも主席は永久欠番ではなくなった。代わりに、憲法序文には「金日成同志と金正日同志を主体朝鮮の永遠の首領」という一文が入った。だから、金正恩が主席になることも憲法上で可能になっているのである。
*:金日成(キム・イルソン)は金正恩の祖父

金日成は戦争遂行のため「総書記」に

 総書記と委員長では何が違うのか。