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 2019年、スペインのマドリードで開かれたCOP25(国連気候変動枠組み条約締約国会議)は大きな成果を残すことはできなかったが、環境問題に対する一般の関心は高まった年だったと言えるだろう。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリ氏が遅々として進まぬ各国、企業の温暖化対策を痛烈に批判したことが話題となり、投資家の間ではESG(環境・社会・企業統治)を重視する流れに拍車がかかった。国内では知名度の高い小泉進次郎・衆院議員が環境相に就任。よくも悪くもその言動は多くの人々の耳目を集めた。

 それは東南アジアでも同様だ。特に都市部では自動車や工場の急増を背景に大気汚染が急速に進んでおり、健康への脅威を肌で感じる。先進国から出たプラスチックごみがアジアに押し寄せ、海洋の汚染も進んでいる。

 環境意識の高まりを受け、タイでは20年の年明けから約2万4000店舗が買い物客へのプラスチック製レジ袋の無償提供を取りやめた。タイ南部で計画されていた石炭火力発電所は18年に見直しを決定。19年にも結果が出るはずだったが再調査は進まず、計画は立ち往生したままだ。

 環境問題に対する意識の高まりに、タイのエネルギー業界も機敏に反応している。中でも事業構造の転換に積極的に動き出しているのが、タイ証券取引所に上場する石炭大手のバンプーだ。

バンプーのソムルディー・チャイモンコン最高経営責任者(CEO)