ニューヨークで金融を押しのける新勢力

 なおグーグルは別の場所に拠点を構える予定だ。下の地図の場所に130万平方フィートを借り、10億ドルを投じて最終的に計170万平方フィートのキャンパスを造る。今後の10年間で7000人を雇用する計画だという。

サビルズ・リサーチの<a href="https://pdf.euro.savills.co.uk/usa/market-reports/research-mim-nyq3-718.pdf" target="_blank" class="textColRed">調査</a>では、19年7~9月期に結ばれた物件契約の中でグーグルが最大の案件だった
サビルズ・リサーチの調査では、19年7~9月期に結ばれた物件契約の中でグーグルが最大の案件だった
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 不動産動向を調査するサビルズ・リサーチによると、TAMIと呼ばれるテクノロジー・広告・メディア・インフォメーション分野に属する企業がマンハッタンで急速にオフィススペースを拡大しているという。19年1~9月期の賃貸契約にTAMIが占める割合は35.3%で、昨年同期の15.8%から倍以上になった。一方、契約を減らしているのは金融サービスで、昨年の30.5%から23.3%に減った。

 シリコンバレーの地価が上昇しているとはいえ、ニューヨーク、しかもGAFAが進出しようとしているマンハッタンは全米トップクラスの地価を誇る。ニューヨークはビル所有者管理者協会(BOMA)から「2018年、最もオフィス賃料が高かった都市」に選ばれている。

 なぜ今、テック大手がニューヨークを目指すのか。

時価総額350億ドルのオンライン決済企業

 ニューヨーク進出を試みる他のテック企業がどこかを見ていくとその理由がより鮮明に見えてくる。例えば、ウーバーの上場後、世界でトップクラスの時価総額企業の1社に数えられるサンフランシスコのストライプ。同社はオンライン決済の仕組みを簡単に導入できるソフトウエアを企業などに提供している。19年9月に2億5000万ドルの資金を調達し、時価総額は350億ドルとなった。

 ストライプは2億5000万ドルの資金調達を発表した直後にニューヨークに新拠点を開設することを発表した。数百人規模の人材をそこで調達するという。募集しているのは、エンジニアリング、セールス、マーケティング、企業提携、人材採用などだ。

 ウーバーやリフトといった配車サービス大手も拠点を拡大しようとしている。ウーバーは上記のグーグル新拠点からさらに南に下ったワールドトレードセンター跡地に、新たに30万8000平方フィートのオフィスを借りるとみられている。同社の人材募集サイトによると、ニューヨークはいまやサンフランシスコに次ぐ第2の拠点に成長しており、エンジニアリング領域では「ウーバーイーツ、ウーバー・フォー・ビジネス、金融商品と監視/インフラなどに関わるソフトの技術者」を募集している。

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