マンハッタンでよく目にする日本車のイエローキャブ。支局近くの交差点にて
マンハッタンでよく目にする日本車のイエローキャブ。支局近くの交差点にて

 ニューヨーク名物のタクシー、イエローキャブにこのほど、米テスラの低価格EV(電気自動車)セダン「モデル3」が加わった。現時点で街を見回せば、目に付くのはトヨタ自動車の「RAV4」や日産自動車の「NV200」といった日本車ばかりだが、ニューヨーク市のタクシー・リムジン協会のウェブサイトを見ると確かに2019年製のモデル3が認可リストに加えられていた。

タクシー・リムジン協会のホームページより。ニューヨーク市内でイエローキャブとして営業してもよい車種のリスト
タクシー・リムジン協会のホームページより。ニューヨーク市内でイエローキャブとして営業してもよい車種のリスト
[画像のクリックで拡大表示]

 同市でピュアEVとして正式に認可されたのは、モデル3が初めてという。13年からの数年間、日産のEV「リーフ」が実験的に運行していた時期があったが、15年に終了した。

 テスラ車のタクシー利用を許可している米国の都市は、他にもある。電動化や自動運転といった次世代モビリティー技術への投資に熱心なオハイオ州コロンバスのイエローキャブ会社が今年8月に採用し、ウィスコンシン州マディソンのエコカーを使用したタクシー会社も同10月に導入した。世界的にも有名なイエローキャブの採用で今後、世界中にテスラ車のタクシーが普及していく可能性がある。

タクシー会社がテスラ車を選ぶワケ

 テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)によれば、モデル3は従来のEVと異なり、圧倒的に投資対効果を高めた車両だ。車両価格は3万5000ドル(約380万円)からとそもそも安い。さらにマスクCEOは今年4月13日付のツイッターで次のように記した。

 「モデル3のドライブユニットとボディーは商用トラックと同じように100万マイル(約160万km)は走れるように設計した。現在採用しているバッテリーモジュールでも30万~50万マイルは持つし、交換用バッテリーも5000~7000ドルで購入できるようにした」

 つまり、商用のタクシーとして日々、使い倒しても、ガソリン車並みに長持ちするというわけだ。しかも、国や時期によって異なるものの、基本的にガソリン代に比べて電気代の方が安い。初期費用もランニングコストも安いとなれば、タクシー会社が選ばない理由はない。オセロのコマがひっくり返るように、イエローキャブがどんどん「テスラ化」する可能性は十分にあるのだ。

 日本の自動車メーカーにとって脅威になりえるが、これはほんの「序章」にすぎない。

次ページ 動き出す無人タクシーのネットワーク