英国で主に実店舗を展開する小売り業の凋落が続いている。英小売協会が10月7日に発表した9月の小売売上高は前年同月比で1.3%減で、1995年の統計開始以来で最低の水準だった。景気減速の影響が指摘される一方で、ネット通販の販売は伸びている。9月のネット販売は前年同月比で4.3%伸び、好調を維持している。

 9月16日号スペシャルレポート「英小売り、破壊と創造の最前線」で詳細を報じたが、路面店を展開する小売りの苦境は深まっている。英百貨店大手のジョン・ルイスは10月1日、業績悪化で上級管理職の3分の1を削減した。カメラチェーンの英ジェソップスは10月中旬、管財人の下で経営再建を検討していると報じられた。

英ネット通販の伸長に対応

 英国は世界的に見ても小売市場に占めるネット通販の比率(EC化率)が高い。経済産業省の調査によると、世界でEC化率が最も高いのは中国の22.7%で、英国は19.3%と2番手につける。日本の7.3%に比べると状況が大きく異なる。こうした状況の英国で、メーカーが小売業界の激変に対応しつつある。

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