
10月1日の国慶節(中国の建国記念日)。北京で盛大な軍事パレードが行われ、中国全土がお祝いの空気に包まれたその日、香港で18歳の青年が実弾で撃たれたというニュースが世界中を駆け巡った。そのニュースには多くの場合、約16秒の映像が添えられていた。ソーシャルメディアでも拡散したので、ご覧になった方も多いはずだ。
多くのメディアによって取り上げられた同映像のリンクをこちらに張っておく。衝撃的な映像であるため、苦手な人もいるかもしれない。以下にこの映像を極力主観を排除してテキスト描写する。
警官隊と警官が銃口を覆面姿の男性(青年であることはこの映像では分からない)に突き付ける。男性が棒で警官の手(衣服に当たっただけのようにも見える)を打ち払う。その直後、警官の拳銃から男性の胸部を目掛けて銃弾が発射される。その直後、10倍のスローモーション映像というキャプションを付けたスローモーション映像がリピート再生される。
実は同シーンを収めた映像にはロングバージョンがある。(映像はこちら)。こちらも同様に文字で再現しておく。
黒い開いた傘や金属棒のようなものを持った覆面姿の男たちが、通りを歩いている。時折、金属棒とアスファルトがこすれているのか、乾いた音が聞こえてくる。突然男たちが走り出し、盾を持った警察官に襲い掛かった。警官を押し倒し、袋だたきにする男たちの怒声と殴打の音が響く。だが、数秒後、激しい打撃音に乾いた「パン」という音が交じった瞬間、男たちは一斉に逃げていった。残ったのは、拳銃を持つ警官たちと倒れた覆面姿の男だ。倒れた男を近くにいた仲間が助けようとしたが、すぐに警官が組み伏せた。警官隊には火炎瓶が投げつけられたが、体に当たることなく地面を燃やした。
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