この数週間、ウォール街で最も注目を浴びていた企業の経営トップが辞任に追い込まれた。シェアオフィス「ウィーワーク」を35カ国以上で展開するウィーカンパニーのアダム・ニューマンCEO(最高経営責任者)だ。

ウィーカンパニーのCEO辞任を表明したアダム・ニューマン氏(写真:Cindy Ord / Getty Images)
ウィーカンパニーのCEO辞任を表明したアダム・ニューマン氏(写真:Cindy Ord / Getty Images)

 同社は9月中の上場を目指し、8月に上場目論見書を米証券取引委員会(SEC)に提出していたが、投資家たちの評価を得られず苦悩していた。目論見書から、これまで巨額の赤字を垂れ流し続けてきたことや、売上高が倍増する一方でコストも同じように倍増していることなどが露呈したからだ。

 2018年の売上高は18億2000万ドル(約1950億円)だったのに対し、赤字額は19億3000万ドル。成長段階での赤字はスタートアップ企業にはよくあることだが、ウィーの場合、多くの投資家に「長期的にも黒字化の道筋が見えない」と見なされた。大株主のソフトバンクグループも同社に上場延期を打診。ウィーは9月中の上場を断念し、「年内の上場を目指す」と方針変更した。

 だが事態はこれで収束しなかった。18日にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、ニューマン氏がニューヨークから祖国のイスラエルにプライベートジェット機を借りて移動中、大麻を使用していたと報道。使用後のジェット機からシリアルの箱に詰め込まれた大麻が発見されたという。ジェット機のオーナーはこれに腹を立て、イスラエルからの復路はニューマン氏のジェット機使用を拒否した。

カリスマ性と共存していた「素行の悪さ」

 ニューマン氏の素行の悪さはかねて投資家たちから問題視されていた。同じWSJの記事によると、ニューマン氏は多くの社員や投資家たちを魅了するカリスマ性を持つ一方で、テキーラを飲みまくる「パーティー」をこよなく愛していた。

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