ヤマトホールディングス(YHD)が25年までの実用化を目指して、米国の大手ヘリコプターメーカーのベル・テキストロンと組み「空飛ぶトラック」の開発を急ピッチで進めている。自律飛行が可能なドローン(無人航空機)をベルが、荷物を入れる新型の輸送用容器をYHDが開発する。2019年8月26日(現地時間)には、ベル本社がある米フォートワース郊外の試験場で、可搬量(ペイロード)が70ポンド(約31.8kg)の機体によるデモ飛行を報道機関などに披露した。
YHDから代表取締役社長の長尾裕氏が、ベルからCEO(最高経営責任者)のミッチ・スナイダー氏が駆け付け、プロジェクトへの期待の高さがうかがえた。およそ4分間の自律飛行では、垂直に離陸して約50mまで上昇した機体が周囲を旋回し、離陸場所に戻って着陸した。
これまで実施された物流ドローンによる自律飛行では、10kg前後の荷物を運ぶ小型機が主だった。今回、30kg超の荷物を運べる機体の自律飛行に成功したことで、空飛ぶトラック実現に向け大きな一歩を踏み出したと言える。


空飛ぶトラックに対するYHDの期待は大きい。「単なる技術実証ではなく、物流の新たなビジネスモデルを構築するきっかけにしたい」(YHDの長尾氏)と意気込む。その役割を担うのが、YHDが独自で開発した新型の輸送容器「PUPA(ピューパ、Pod Unit for Parcel Air-transportation)」だ。今回の飛行デモは機体だけでなく、同容器の披露の場でもあった。
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