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アップル経済圏にいざなうカード

 アップルの狙いはアップル経済圏に利用者を取り込むことだろう。筆者は今回のApple Cardの申請で初めてWalletのアプリを開いたし、非接触決済の「Apple Pay」も店舗で初めて利用した。ポイントがここにたまるので、これからは頻繁に使うことになりそうだ。

 Apple Cardがこれまでのカードと大きく異なるのは、消費者への報酬の与え方だ。

 アメックスなどは新規会員に数万円から10数万円に相当するポイントを付与する。最初の3カ月間に3000ドルのカード利用などが条件だが、これを目当てにカードを契約する人も少なくない。

 Apple Cardはこの初期ポイントがない。その代わりに、アップル製品を販売しているアップルストアのリアル店舗やネットでの買い物に通常の3倍に当たる3%のポイントを付与する。20万円のノートパソコンを買えば、それまで2000円程度だったポイントが6000円になる計算だ。

 これにより量販店ではなくアップルストアで購入するユーザーが増えるだろう。アップルストアに来訪してもらうことで、アップルの世界観を訴求し、他の商品の購買に結びつけるといった施策も可能となる。

Apple Cardの履歴管理画面。Apple Payでの支払いは2%のポイントが付与されている

 一般的な商品も、Apple Payでの支払いであれば2倍の2%のポイントだ。非接触のリーダーがあるところでは迷わず、iPhoneをかざしてApple Payで決済することになりそうだ。

 こうした消費で獲得したポイントはWallet内に登録された電子マネー「Apple Cash」にたまり、それをApple Payで使うことになる。まさに財布である。利用した店舗も写真と地図でビジュアルに表示されるので、履歴を確認しやすい。