くら寿司USAのモデルはスタバ? 

 スタバは欧州やアジア市場でフランチャイズを活用するも、本国の米国では基本的に直営店を貫いている。同社を大きく成長させた元CEOのハワード・シュルツ氏は、1997年発行の著書『Pour Your Heart Into It』でこう記している。

 「スターバックスのバリスタは、スターバックスのビジョンやバリューシステムを理解している。スターバックス以外の企業が雇用する従業員にはそれが難しい」

 この考え方はくら寿司のそれに似ている。面倒な手続きを経てわざわざ米国法人を上場させたのも、ストックオプションを通じて優秀な人材を確保する狙いがある。「日本からの赴任者より米国採用の従業員の方が給料が高いなんてことは当社では当たり前だ」(姥CEO)という。

 では、米国内のみで1万4606店舗(2018年末時点)を構えるスターバックスがどうやって成長を遂げたかというと、フランチャイズではなく「ライセンス」という手法を採用したことが大きい。米国市場の40%を実はこのライセンス店舗が占める。

 フランチャイズが個人事業主などに店舗の運営や出店場所の選定などを任せるのに対して、ライセンスは店舗の運営の大部分をスターバックスがコントロールする。ライセンスを付与する店舗は、スターバックスが自力では進出が難しい地域に限られ、その店舗を運営する会社もターゲットやクローガーなど大手量販店である場合がほとんどだ。

 姥CEOは「現時点では直営店で成功しているためフランチャイズは考えていない。今後の展開によって考える」としている。姥CEOの頭の中にスタバのライセンスモデルがあるかどうかは不明だが、くら寿司のコンセプトを貫くにはフランチャイズよりも向きそうだ。

 日本初の飲食チェーン1兆円企業を目指すくら寿司。まずは米国市場で掲げる、23年までに店舗数を倍増させるという目標を達成できるかどうかが試金石になる。

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