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 人工知能(AI)による画像認識の世界的な学会であるCVPRが米ロングビーチで6月16日から開催された。CVPRはAIが人のように画像を認識する「コンピュータービジョン」と呼ぶテクノロジーの専門学会だ。自動車や流通など「コンピューターの目」が必要な分野では必須のテクノロジーで、日本が製品やサービスで得意とする分野だ。研究者が増えており、企業の研究開発も活発化している。

CVPRの展示会場。コンベンションセンターとホテルを使って論文発表が行われていた(米ロングビーチ)

 論文発表会場の会議棟に併設されている展示会場に足を踏み込むと、年初に米ラスベガスで開催されるデジタル機器の見本市CESのような活気に包まれていた。

 学会とはいうものの、米グーグルや米フェイスブック、中国のバイドゥ(百度)やテンセント(騰訊控股)など、米国だけでなく中国のテックジャイアントの姿も目立つ。最上位のスポンサーも米マイクロソフト(MS)のほかは、中国の北京曠視科技(メグビー)に香港のセンスタイムである。

 参加している人たちの目的は論文の発表や聴講もあるが、最大の狙いはAI人材の獲得だ。多くのブースで、獲得したいスキルを記したパンフレットを配布している。ライドシェアの米ウーバーテクノロジーズや米リフト、米ウォルト・ディズニーといったサービス企業も、AI人材を狙って出展している。

バイドゥによる自動運転プラットフォームに関連した発表会場。常に人であふれていた

 画像系のAI人材が集うCVPRで、中国企業の発表は、至るところで注目されていた。

 バイドゥの自動運転プラットフォーム「Apollo」のセッションは1日中、人であふれ、部屋に入ることができなかった。バイドゥの担当者は米中摩擦の影響について「Apolloはコードをオープンソースで公開しており、世界中の技術者が参加している。特に影響はない」と語った。

ファーウェイによる論文のポスター展示にも多くの技術者が集まっていた

 米中摩擦の渦中にある華為技術(ファーウェイ)についても、論文ポスターの前には常に人だかりができていた。