米フェイスブックがB to B用途でのVR(バーチャルリアリティー)事業、いわゆる「ビジネスVR」に本腰を入れ始めた。同社はVR用ヘッドマウントディスプレー(HMD)と、B to B向けソフトウエアなどを一緒にしたビジネスVRのサービス基盤(プラットフォーム)「Oculus for Business」の一般販売を2019年秋から始める。

 フェイスブックは2014年に米オキュラス(Oculus VR)を買収して以来、ゲームを中心としたエンターテインメント、すなわちB to C用途に向けてHMDを販売してきた。今後はB to B用途の開拓にも力を入れることで、VR業界のエコシステム拡大を図る。

VRのB to B事業について報道機関に向けて説明するAR/VR Head of EnterpriseのMaria Fernandez Guajardo氏

自動車や医療、小売りなどで成果

 19年秋のサービス開始前から、フェイスブックは一部の企業とB to B用途で試験運用を続けてきた。19年4月30日~5月1日に開催した開発者会議「F8」では、こうした試験運用の成果を明らかにした。すでに自動車分野や医療分野、小売り分野など、さまざまな事業領域でVRの活用が進んでおり、かつ成果が出ている。例えば、VR技術を利用した医療訓練用ソフトウエアなどを手掛ける米OSSO VRの取り組みを紹介。同社のVR手術訓練ソフトウエアを利用した外科医の方が、従来の方法で訓練した外科医に比べて、大幅に習熟度が高まるとした。

フェイスブックが示した、Oculus for Businessで協力関係にある企業。スライドは同社

 自動車分野では米フォード・モーターと試験運用を進めている。自動車の外装や内装のデザインにVRを利用したことで、これまでデザインに約1カ月かかっていた時間を、20時間に大幅に短縮できたという。

 米ウォルマートは店員の訓練用に試験的にオキュラスのHMDを導入。訓練の効率が上がることを確認後、1万7000台のHMDを導入し、VR訓練用ソフトウエアを手掛ける米STRIVR Labsとともに、50以上の訓練プログラムを構築したという。

 このほかにも独DHLや米エクソンモービルなど、さまざまなユーザー企業とVRシステムの導入で協力関係にある。

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