今年3月、米ニューヨーク市内のレストラン「Katana Kitten」に、焼酎の「いいちこ」を製造・販売する三和酒類の下田雅彦社長の姿があった。

iichiko彩天。バーに並べても映えるデザインにした
iichiko彩天。バーに並べても映えるデザインにした

 米国市場を攻略するための戦略商品「iichiko彩天」をお披露目し、カクテルとして提供して反応を見るためだ。バーのある日本食料理店は地元メディアやディストリビューターなどでごった返していた。

 この店の日本人としてトップクラスのバーテンダーだけでなく、ニューヨークの著名なバーテンダーたちも集めて、iichiko彩天で作ったカクテルを振る舞った。参加したバーテンダーの1人は「彩天は独特の風味があるので、特徴のあるカクテルを作りやすいね」と評価する。

 イベントの最後に下田社長は「焼酎をバー市場で訴求するため、バーテンダーやディストリビューターの話を聞きながら特別に開発した」とアピールした。

バーテンダーと握手する三和酒類の下田雅彦社長(2019年3月、米ニューヨーク)
バーテンダーと握手する三和酒類の下田雅彦社長(2019年3月、米ニューヨーク)

 三和酒類が米国市場での事業拡大に乗り出している。米国にはおよそ30年前に進出。現在、約1億円の事業規模があるが、米国専用商品を新たに開発し、2019年4月から本格的な売り込みを始めた。

 いいちこの米国市場攻略は「バー」がカギを握る。下田社長は「バーで焼酎に親しんでもらうために新たな製品が必要となった」と話す。米国のバーでは、サントリーのウイスキーが高級品として定着しているが、焼酎は新参者だった。

 三和酒類は米国市場を攻略するため初の米拠点として、2014年にiichiko USAをサンフランシスコに設立した。サンフランシスコに拠点を置いたのには理由がある。「サンフランシスコのバーでは小規模なメーカーの銘柄を多く置いており、それらを自由にアレンジするクラフトカクテルを提供するバー文化がある。ここであれば我々の焼酎のテストマーケティングにぴったりだと思った」。北米ビジネス・デベロップメント・マネジャーとしてサンフランシスコに赴任した宮崎哲郎氏はこう語る。

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