強大な「挑戦者」を迎え撃つため、ライバル同士が手を組んだ。米マイクロソフトとソニーが2019年5月16日(現地時間)、エンターテインメントやAI(人工知能)分野などで戦略的提携に向けた意向確認書を締結したことを明らかにした。両社は今後、クラウド基盤「Microsoft Azure(マイクロソフト・アジュール)」を活用したゲームやコンテンツのストリーミングサービスを共同で開発する。

両社は家庭用の据え置き型ゲーム機を中核にしたゲーム事業では競合関係にある。ソニーは米子会社のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)を通じて「PlayStation(プレイステーション)」を、マイクロソフトは「Xbox」を手掛けている。
そんな両社がタッグを組んだ背景には、クラウド型のゲームの台頭、そして同分野に満を持して乗り出してくる米グーグルの存在がある。グーグルは2019年3月、クラウドゲームの配信基盤「Stadia(スタディア)」を投入すると発表。年内に米国とカナダ、英国、欧州でサービスを始める。

グーグルは、アンドロイド端末向けのアプリの配信基盤「Google Play」を通じてゲームを配信し、従来型の携帯ゲーム機の市場を奪ってきた。次に狙うのが据え置き型の市場だ。世界最大級のゲーム開発者会議「GDC 2019」の基調講演では、グーグルの発表を見ようとした参加者の列が会場の外まで伸びた。入場できなかった人も多く、会場のあちこちで発表の動画配信を食い入るように見ていた。

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