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20年に100万台に搭載

 完全自動運転向けとはいえ、実用化は先の話ではない。既に19年3月から量産している「モデルS」と「モデルX」、同年4月から量産のモデル3のすべてに、FSDを搭載し始めたことを明らかにした。その前から、オプションとしてFSDを搭載できていたもよう。実際、同社のコミュニティーサイト内の投稿を見ると、18年10月段階でモデル3注文時のオプションとして表示されるFSDに関する質問が出ていた。

 19年内には、モデルS/3/Xをあわせて週1万台体制で量産可能にする。20年には、小型SUV(多目的スポーツ車)のEV「モデルY」やEVトラック「モデルSemi」にも搭載する予定とした。20年中ごろには、FSD搭載のテスラ車は100万台以上に達し、法律などの各種規制がクリアされれば完全自動運転を生かした「ロボットタクシー」を始められるとした。

納車を待つテスラのEV。日経BPが撮影

ロボットタクシーや独自ライドシェアを可能に

 発表会ではロボットタクシーの採算性についても言及した。例えば、ロボットタクシー1台当たりの運行コストは、1マイル当たり0.18ドルで、所有車の同0.62ドル、ライドシェアの同2~3ドルに比べて安価だという。その結果、1マイル当たりの粗利(Gross Profit)として0.65ドルを確保できると試算。ロボットタクシー1台当たりで1年間に生じる粗利は約3万ドルに達するとみている。

 ロボットタクシーのコストは、1台当たり3万8000ドル未満だという。つまり1年強、少なくとも2年で元を取れる計算になる。ロボットタクシーの車体寿命は走行距離換算で100万マイルほどとみる。年9万マイルほど走行すると仮定すると、寿命は11年となる。その間、ロボットタクシーは稼ぎ続けるというわけだ。

 さらに、ライドシェアが可能なネットワークサービス「Tesla Network」も紹介。テスラ車の所有者はスマートフォンアプリを通じて、友人や職場の同僚、SNS上の知人らなど、信頼が置ける人々にロボットタクシーとして貸し出せる。所有者が利用しないときに貸し出すことで、所有者は収入を得られる。この収入の中からテスラは「25~30%を得る」(マスクCEO)という 1)。

■参考文献
1)市嶋、「テスラが顧客の車でシェアリング、車体価格は実質0円に?!」、日経ビジネス電子版、2019年4月26日、https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/042600311/.