全1574文字

 アマゾンにとってプライムの売り上げは巨大だ。米国ではプライムの年会費を2018年5月に119ドル(約1万3000円)と20ドル値上げした。まさに月10ドルのサブスクリプションサービスである。

 プライムに各種コンテンツのサービスなども含む「サブスクリプションサービス」は、2018年度に全世界で141億6700万ドル(約1兆5800億円)もの売り上げに達している。消費者の胃袋もつかむことで、さらなる新規プライム会員の獲得や継続率の向上につなげたいとの狙いが透ける。

ついに低価格スーパーも投入へ

 プライム会員をリアルでの購買行動にも引き込む動きはほかにもある。

 米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンはホールフーズに比べて低価格な、別ブランドの食品スーパーを米国の主要都市に開くことを計画している。今年中にロサンゼルスに開店するほか、複数の都市に数十店舗を開くことを検討している。

 レジなし店舗の「Amazon Go」の出店攻勢も強めている。現在、シアトル、サンフランシスコ、シカゴの3都市で計10店舗を開店。全米で2021年までに3000店舗を展開するとされている。

米サンフランシスコで開店準備中のAmazon Goの店舗

 Amazon Goはオフィス街が中心で、最近はコンビニ型の小型店舗も増えてきている。こちらはレイアウトを工夫して、ビジネスパーソンが短時間で所望のものを購入できるようにしている。入場時にはアマゾン会員とひも付けたAmazon Goのスマートフォンアプリをかざすので、プライム会員と非会員の購買行動はすべて把握できている。

 アマゾンによるリアル店舗での値下げと出店攻勢は、ホールフーズと米ウォルマートの間の価格帯に位置づけられる、米セーフウェイや米ターゲットなどの食品スーパー大手に大きな脅威となる。また、今回の値下げでどのような顧客がどのように反応するのか。プライムの会員はどこまで値下げすればホールフーズで買い物をするようになるのか。アマゾンにとって、貴重な行動データが得られるだろう。


【日経クロストレンドの関連記事】
アマゾン、プライム会費値上げ 背景に「多彩な特典のコスト増」
マトリクス図で理解 Amazonとアリババ、戦略の違い
進化したAmazon Go新型店 データを棚構成と品ぞろえに生かす