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 自動車のスピード違反がなくなるかもしれない。

 3月末、欧州委員会は2022年以降に発売される新車にスピード制限機能の導入を義務付ける規制の導入を提案した。

 既に一部のメーカーにはISA(インテリジェント・スピード・アシスタンス)が搭載され、制限速度を超えると運転手に知らせて減速させる機能がある。こうした機能の搭載を全ての新車に義務付けるという規制だ。そのほかに酒気帯びや脇見の運転などを検知する機能の搭載義務付けも検討している。今年中に欧州議会で採決され、欧州連合(EU)の加盟国の最終承認が必要になる。

 欧州委員会は交通事故の9割が、ヒューマンエラーによって引き起こされていると報告。規制導入によって2038年までに2万5000人の交通事故死と、14万人の深刻な負傷者の発生を防げると試算している。欧州委員会で産業分野を担当するエルジビエタ・ビエンコフスカ委員は、「(EUでは)毎年、2万5000人が交通事故で死亡している。これを終わらせる!」と述べた。

英高級自動車メーカー、アストンマーチンのアンディ・パーマーCEOはスピード制限機能の搭載義務化に反対した。パーマー氏は日産自動車の副社長としてカルロス・ゴーン元会長と共に日本で働いたこともある。

 この規制に真っ向から反対する人物がいる。英高級自動車メーカー、アストンマーチンのアンディ・パーマーCEO(最高経営責任者)だ。4月4日に開催された英自動車工業会(SMMT)のイベントは、テクノロジーや英EU離脱が主なテーマだったが、パーマーCEOは自ら欧州委員会の規制に触れ、「(スピード制限機能の搭載義務化は)無謀だ」と言い放った。