リーズナブルな価格が人気の背景にある。プランにもよるが、同社のシェアリングサービスは1日当たり200ルピー程度で二輪車を借りることができ、160キロメートルの走行まではガソリン代もかからない。四輪車でも120キロメートルまでガソリン代無料で費用は1日1000ルピー(1600円)程度だ。さらにITを活用し、車両の貸し手と借り手が安心して利用できるような仕組みも導入している。車両にはGPS(全地球測位システム)端末を取り付け、その行方を常時把握。盗難など不測の事態が起きた場合は、エンジンを遠隔操作で止めることができる仕組みもある。

インドのカーシェアスタートアップ、ドライブジーの共同創業者アビシック・マハジャン氏
インドのカーシェアスタートアップ、ドライブジーの共同創業者アビシック・マハジャン氏

 インドにはもともと自動車を複数の家族や友人同士でシェアする習慣があった。テクノロジーを利用し、これを最新のビジネスに仕立てたのがドライブジーだ。さらにカーシェアはライドシェアと結びつき、新たな商習慣も生み出しつつある。「自家用車を持っていない人がカーシェアの車両を利用し、ライドシェアのドライバーとして稼ぎ始めている」。共同創業者のアビシック・マハジャン氏はこう指摘する。

日印MaaSの「台風の目」はソフトバンク

 ライドシェアのオラを運営するANIテクノロジーズは今年3月、韓国の現代自動車、起亜自動車と資本業務提携したと発表した。3億ドルの出資を受けるのに加え、インド向け電気自動車(EV)の開発や充電インフラの構築でも協業していくという。ライドシェアにカーシェア、それに両サービスとの相性が良いとされるEVも巻き込みながら、インドはMaaSの「実験場」としての性格を強めている。

 この巨大な「実験場」と日本とは無縁ではない。冒頭のモネ・テクノロジーズの最大の出資者であるソフトバンクはANIテクノロジーズに出資しており、現地報道によればドライブジーへの出資も検討しているという。

 ソフトバンクは投資先インド企業のサービスを積極的に日本に導入してきた。たとえばヤフーと共同で手掛けるスマホ決済のペイペイは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資するインド決済最大手Paytm(ペイティーエム)のノウハウを活用している。ヤフーと組んで先月末に日本で事業を始めた格安ホテル運営のインドスタートアップOYO(オヨ)も同ファンドの出資企業だ。モビリティ分野でも日本の厳しい規制を避けてインドで新しいサービスを実験的に展開したり、インドで生まれたサービスを輸入したりする試みが始まるかもしれない。MaaSのコンソーシアムにインド企業が加わる可能性すらもゼロではないだろう。

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