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 米テスラの本社があるシリコンバレーの中心、パロアルトからクルマでおよそ30分。フリーモントの広大な敷地にテスラの工場がある。

テスラの工場で納車の受付をする顧客(カリフォルニア州フリーモント)

 2018年12月後半の土曜日にこの工場を訪れると、顧客が並んでいた。テスラの中では低価格なことから受注が殺到しているモデル3を2週間でも3週間でも早く納車してもらうのが目的だ。

工場まで取りに来て満足

 同日納車に訪れたある顧客は2時間半待たされたが、「いち早く手に入れたので苦にはならない。テスラのグッズを見て時間をつぶせるし、昼時には食事まで用意してくれた」と満足げだ。

 この顧客と同様、多くの顧客が家族やカップルで訪れ、納車を目前に笑みを浮かべていた。

 工場にクルマを取りに来てもらうだけではない。テスラは特定の顧客に工場見学のツアーを提供している。オーナーが友人を連れて見学に訪れることも可能で、こうしてテスラファンを増やしていく仕組みだ。

テスラの工場で納車を持つモデル3(カリフォルニア州フリーモント)

 顧客がわざわざ工場まで新車を取りに来る。日本では考えられないような光景がここシリコンバレーではごく当たり前になっている。

 2月28日にイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が発表したディーラー販売網の廃止も、こうした顧客の支持を背景に踏み切ったのだろう。

テスラのショールーム(カリフォルニア州パロアルト)

 全面的なネット販売に踏み切り、全米にある約130の販売店の多くが閉じられる見通しだ。人通りの多い一部の店舗はショールームとして残すという。