3月5日、スイスでジュネーブ国際自動車ショーが開幕した。ちょうど同じ日、東京地裁は勾留されていた日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の保釈を認める決定を下した。

 偶然にもタイミングが重なったが、自動車ショーにはゴーン氏の影が所々にちらついている。

独高級車メーカーが自動運転でも電撃的に提携

 5日、独ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長のプレゼンテーションは、独BMWとの提携の内容説明から始まった。

 同社は2月22日、移動サービス事業の統合を発表。ライドシェアやカーシェアリングなど5つの分野で共同出資会社を立ち上げ、10億ユーロ(約1260億円)を投じる。米ウーバー・テクノロジーズなどに対抗するために高級車メーカー同士で手を組んだ。

 さらに、その説明会を実施したわずか6日後の2月28日に、両社は自動運転の提携も電撃的に発表した。運転手を介在しない「レベル4」が対象となる。共同のプラットフォーム(車台)開発も検討する。

 クルマを購入できる購買力のある顧客層を抱える両社が、買わない顧客を主な対象とする移動サービスを広げられるかを疑問視する声がある。一方の自動運転は高級車から普及が始まると見られるため、両社は導入が進めやすい面がありそうだ。

独ダイムラーのツェッチェ社長は、ジュネーブ国際自動車ショーでBMWとの提携を強調した

 2018年10月のパリモーターショーでは、ダイムラーのスタンスは違っていた。ツェッチェ社長は当時、日産会長だったゴーン氏と共同で記者会見を開き、2人の個人的な関係から資本提携を進めてきたことを強調していた。両社はメキシコで合弁工場を運営するほか、燃料電池の共同開発など10以上のテーマで提携してきた。

 ツェッチェ社長はゴーン氏の会長解任について、「主な対話相手はゴーン氏だったから深刻な影響がある」と述べている。ツェッチェ社長は5月に退任する方針だが、次の社長に経営を円滑に引き継ぐために、退任前に軌道修正を図っておきたい意図が透けて見える。

続きを読む 2/2 日産は独自技術の導入を強調

この記事はシリーズ「特派員レポート」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。