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 「YouTube」で動画を見ながら、ウェブブラウザーの「Chrome」を使って情報を検索しつつ、メッセージアプリの「WhatsApp」を開いて友人からのメールを確認する――。MWCに先立つ2月20日(米国時間)、サムスンが米サンフランシスコで開催した製品発表会では、そんな利用シナリオが示された。

 米グーグルのモバイル端末用OS(基本ソフト)である「Android」は、以前から画面を2分割する機能を搭載する。また米アップルのOS「iOS」にも画面を2分割する機能があり、現時点ではタブレットの「iPad」でのみその機能が利用できる。しかし画面を3分割する機能を搭載したのは、Galaxy Foldが初めてだ。

 Galaxy FoldのOSもAndroidだが、画面を3分割する機能はサムスンが独自に開発した。画面3分割で利用するにはアプリ側での対応が必要だが、対応作業に必要なツール(ソフトウエア開発キット、SDKと呼ぶ)もサムスンが独自に開発してアプリケーション開発者に提供している。本来はグーグルのようなOSを提供する会社がやる作業をサムスンが自力でやったからこそ、世界初の画面3分割が実現したのだ。サムスンの「プラットフォーマー」としての実力がうかがえる。

 実はサムスンは2013年からサンフランシスコで毎年、社外のソフトウエア開発者に対して自社のソフトウエアやハードウエアのプラットフォームを紹介する「サムスン開発者会議(Samsung Developer Conference)」を開催している。サムスンのプラットフォーム路線は既に6年の歴史を有する。

 サムスンが当初売り込んでいたのは、iOSやAndroidに次ぐ「第3のOS」になると言われていたモバイル端末用OSの「Tizen」だった。TizenはiOSやAndroidに全く敵わずあえなく失敗したが、サムスンはその後もプラットフォーム路線をあきらめなかった。その努力が今回の世界初に結実したと言えそうだ。