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(写真:ユニフォトプレス)

 「米国ではインフルエンザが大流行しているようだが大丈夫か?」。2020年2月に入り、こんなメールを日本の友人たちから数多くもらうようになった。周囲の在米日本人にも同様のメールが届いているという。

 米国で生活している者からすると、これが不思議でならなかった。インフルエンザは毎年、12~3月くらいに流行するもので、今シーズンに限って特に流行しているという感覚がなかったからだ。知り合いの在米日本人8人に聞くと、「周囲で流行している」との回答が半数、ただ例年よりひどいと感じるかについては全員が「そこまでは感じない」と答えた。

 なぜこれほど日米で認識の差があるのか。疑問に思い調べてみると、日本では複数のメディアが「米国ではインフルが猛威を振るっている」という報道をしていることが分かった。本当にインフルエンザが米国で流行しているのか、これまでに比べて深刻なのか……。可能な限りデータに基づいて調べてみた。

今年の「深刻さ」は異常なのか?

 確かにインフルエンザのような症状で病院にかかる人の割合は増えているようだ。米政府が設置している疾病対策センター(CDC)がホームページで公表している20年2月8日までのデータ(下のグラフ)によると、過去最悪のペースで推移していることが分かる。ただし、この数は「ILI(influenza-like illness)」と呼ばれる、「インフルエンザのような症状で病院を訪問した人の数」で、インフルエンザに限定したものではない。

赤が今年の推移で、明るいブルーが流行が深刻だった17~18年の推移。確かに同じくらいのペースで増えている。CDCのサイトより

 では、実際にインフルエンザの検査で陽性反応を示した人の数はどうか。これは世界保健機関(WHO)がまとめた下の表で見ることができる。過去1年間のグラフのため、1年前の状況と直接の比較はできないが、昨年同様、インフルエンザの季節になってから流行が始まっていることが分かる。ただここからも「(全体の数として)今年が特別か」は分からなかった。

米国でインフルエンザ陽性と診断された人の推移。横軸の数字は週。12週目くらいまで流行し、その後、終息していくと見られている。むしろ気になるのはA型よりもB型が多くなっている点。WHOのサイトより