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ウーバーやアマゾンも即時配達で競合する

 通常の配達料金は、ポストメイツと提携した店舗が1.99~3.99ドル、提携していない店舗が5.99~9.99ドルである。提携店舗は配達料金の一部を自己負担するが、その代わりにポストメイツのスマホアプリやウェブサイトなどで優先的に表示される。

 IPOが近いポストメイツだが、前途洋々とは言いがたい。即時配達の領域は非常に競争が激しいからだ。

 即時配達の競合はドアダッシュとインスタカートだけではない。ウーバーも料理の即時配達サービス「UberEats」を手がけているし、米アマゾン・ドット・コムもこの分野で攻勢を強めている。レストランの料理を即時配達する「Amazon Restaurants」や商品の即時配達「Amazon Prime Now」だ。米国では一般人に配送を委託する「Amazon Flex」も導入し、ビジネスモデルが似てきている。

 赤字体質なのも課題だ。米国の報道によればポストメイツは赤字のままIPOを目指すという。競合のドアダッシュやインスタカートも赤字と報じられている。即時配達スタートアップは「配達1件当たり10ドル稼げる」などとして配達人を集めているが、消費者が支払う配達料金は10ドルを下回る。配達料の一部を小売店が負担しているとはいえ逆ザヤの状態だ。

 しかもアマゾンは「Amazon Prime」の顧客に対して、17年に買収した食品スーパー「Whole Foods Market」の商品であれば無料で即時配達している。即時配達スタートアップとしては配達料を値上げするのも難しい。

 ポストメイツが期待する打開策は「自動運転」だ。同社は18年1月に米自動車大手のフォード・モーターと自動運転車を使った商品配達で提携を発表し、米フロリダ州で実証実験を始めた。フォードは19年1月に米ラスベガスで開かれた「CES 2019」で両社が使用する実験車両を展示した。

 さらにポストメイツは荷物配達ロボットの自社開発もしている。18年12月に発表した「Serve」は歩行者を避けながら歩道を自律的に移動し、消費者の自宅やオフィスまで荷物を配達する。米ベロダイン製のLiDARセンサーや米エヌビディア製の自動運転用SoC「Xavier」を搭載した本格派だ。

ポストメイツの配達ロボット「Serve」

 自動運転が実現すれば、現在は人間に頼っている配達コストを大幅に引き下げられる可能性がある。しかしその実現時期は未定だ。各社はベンチャーキャピタルから調達した巨額の資金を元手に、赤字を出しながらシェア拡大にまい進してきた。しかしIPOを果たした後は、黒字化へのプレッシャーが強まる。ポストメイツをはじめとするギグエコノミー企業にとってはIPO後が、本当の正念場になる。