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 「大統領選に独立候補として出馬することを真剣に考えている」

 米スターバックス前会長のハワード・シュルツ氏が1月下旬以降、2020年の大統領選への出馬について米CNBCや米CBSといったメディアなどで公言し始めた。シュルツ氏は昨年、会長職を退いて名誉会長となり、30年間率いてきたスターバックスと距離を取り始め、政治家に転身するとの噂が絶えなかった。しかし、これまでは態度を明確にしてこなかった。

大統領選への出馬意向を公言している米スターバックス前会長のハワード・シュルツ氏(写真:ユニフォトプレス)

 1月28日夜、米ニューヨークの書店バーンズ&ノーブルにシュルツ氏の姿があった。自著を告知するイベントに登壇し、CNBCのレポーターとおよそ1時間やり取りした。シュルツ氏は冒頭から「我々は2年以上、大統領のリーダーシップと真実の欠如を見てきた」とドナルド・トランプ大統領との対決姿勢を鮮明にした。

 シュルツ氏は政治に加えて、医療制度や教育制度も崩壊しているとして改革を訴えている。「米国は移民の国。どうしてこの国に来て良いことをする機会に背を向けることができようか。経済のドライバーでもある」とトランプ大統領の移民政策にも批判的だ。

 トランプ大統領もツイッターで応酬した。1月28日、「ハワード・シュルツは大統領に立候補する勇気を持っていない。彼は(テレビで)最も賢い人ではないと言っているが同意する。米国は既にそれを持っているからだ」とつぶやいた。

シュルツ氏に関するトランプ大統領のツイート

 シュルツ氏は4店舗しかないシアトルの街のコーヒー店にすぎなかったスターバックスに入社した後に独立。イタリア流のエスプレッソ店を創業して資金を得ると、1987年にスターバックスを買収。約3万店舗の世界的なコーヒーチェーンへと育て上げた。

 これまでは民主党を支持していたが、「2大政党制は妥協を許さない状況を生み出しており、米政府機関の閉鎖を引き起こした。独立候補がいることで、50州のすべてで候補者が競争することになる」と発言。独立候補として出馬する姿勢を鮮明にした。

 シュルツ氏は抜群の知名度があり、経営者としての評価も高い。潤沢な資金もあり、実際に出馬すれば有力な候補となる可能性がある。米メディアの報道も他の候補に比べて、ネガティブなものも含め圧倒的に多い。

 ただ、同氏が独立候補として立候補することに対して、「反トランプ票」が割れてしまうとの懸念の声も出始めている。本来であれば民主党候補に入るべき票が分散してしまう可能性があるからだ。トランプ大統領は「トランプタワーでスターバックスが家賃を払い続けることを願っている」とつぶやいたが、内心では出馬してほしいと思っているかもしれない。