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 トヨタ自動車とパナソニックは1月22日、電気自動車(EV)で使う車載電池の開発・生産会社を共同で設立すると発表した。トヨタとしては遅れているEVでの巻き返しとEVが急速に普及している中国市場の開拓、パナソニックとしては投資負担の軽減と大口ユーザーの獲得という目的がある。

 車載電池を成長の柱に据えるパナソニックにとって、競争力を維持するためには多額の投資が必要であり、米テスラの増産が控える中で単独の投資は難しい。トヨタと組むのは車載電池事業の足下の収益性と将来性を考えれば、合理的な経営判断だろう。

理論上はどんなところでも発電可能

 今回の話はEVの電池を巡る動きだが、EVやIoT、スマートシティなど本格化していく社会の「スマート化」を前に、“動力源”を押さえることが競争優位上、いかに決定的かということを示す端的な事例といえる。

 車載電池に限らず、次世代の動力源を開発する動きは既に始まっている。その中で注目を集めているものを一つあげるとすれば「温度差」だ。素材同士の温度差によって電流が生まれるという原理を利用したテクノロジーである。温度が変化するところであれば、理論上はどんなところでも発電できる、夢のような技術だ。

 この技術は既に実用化されている。

肌に接触する面の温度と外気温との差を利用して給電する

 今年1月に米ラスベガスで開催されたCESで、温度差発電を活用したスマートウォッチが登場した。「MATRIX PowerWatch 2」。米シリコンバレーに本拠を置くマトリックス・インダストリーズが開発した充電不要の腕時計だ。肌に接触する面の温度と外気温との温度差を利用して給電している。