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 英国のEU離脱(ブレグジット)は歴史的な大敗ーー。

 メイ英政権が欧州連合(EU)と合意した離脱協定案は15日、英議会の採決で否決された。投票結果は賛成202票、反対432票。230票差という英国政治史に残る大差での否決となった。

 大差での否決となったのは、離脱の強硬派と穏健派の双方が反対に回ったためだ。メイ政権は英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間で厳しい国境管理を避けるため、離脱案に英全土をEUの関税同盟に残すという「安全策」を盛り込んだ。

 だが、強硬派からは離脱後もEUのルールに縛られ、「EUの属国になる」との批判が渦巻き、ほとんどの議員が反対票を投じた。穏健派の中にも英本土と北アイルランドが分断されることを問題視し、否決に回った議員がいたもようだ。

15日の英国会議事堂前では、EU離脱派と残留派がそれぞれの主張を叫び、所々で論戦となっていた。写真は論戦が始まったところで、左の女性が離脱派、右の男性が残留派

 打たれ強さには定評のあるメイ首相も大差での否決に落胆は隠せず、「議会が離脱案を支持していないことは明らかになったが、何を支持するのだろうか」と述べるのが精一杯。メイ首相は1月21日までに代替案を議会に提出しなければならない。

 それに対して、労働党のコービン党首は、ここが攻め時とばかりに「現政権のひどい無能ぶりに評決を下す」と言い、メイ政権に対して内閣不信任案を提出することを明らかにした。内閣不信任案は16日に審議される見通しだ。