大竹 剛(日経ビジネス):前回は、なぜ今、AI(人工知能)が急速に普及しているのかについてお聞きしました。今回は、AIと並び注目を集めている「ブロックチェーン」についてお聞きします。
仮想通貨やFinTechのブームとも相まって注目を浴びていますが、そもそも、ブロックチェーンとは何なのでしょうか。インターネットの登場に匹敵するインパクトがあるとも言われますが、どんなインパクトを社会に及ぼすのでしょうか。
村井 純(慶応義塾大学教授):ちょっと順番を変えて考えた方がいいかもしれない。まずビットコインから考える。いわゆる仮想通貨というものがインターネット上でできてしまった。

今、我々の社会は国ごとに分かれている社会と、インターネットで地球全体がつながった社会と、この2つの空間が完全に重なっています。
通貨というのは国ごとで決まっていたのですが、完全にインターネット上での通貨というものが生まれてきました。それが仮想通貨で、その基盤がブロックチェーンという技術です。
通貨がインターネットで流通するようになると、2つの興味深いことがあります。1つは、仮想通貨を今の既存の通貨と換算しますか、ということ。もう1つが、単位をどうするか、ということ。今までの通貨だと、1円玉があるからこの1円玉は半分に切れない、ということがありましたが、デジタル空間だから、100分の1円というのを貸してあげるから、後で100分の1円返してね、といったことができるようになる。
つまり最小単位をあまり気にしないでいい、さらに国境も気にしないでいい。こういう通貨が、今までの通貨に加えてできました。それが、ビットコインです。
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慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科委員長、環境情報学部 教授

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