デジタルは「不満」をどんどん解消してしまう
村井:例えば今、「ここまでが限界」とか、「こういうことがやりにくい」とか、「こんなところが使いにくい」とか、そういった不満があったとします。しかし、デジタル技術というのは、そうした不満をどんどん解消していってしまうんですよ。
つまり、プラットフォームとしてのデジタル技術は、どんどん質が高くなっていって、機能も高くなってくるから、そうすると残された部分、本当に人間としてやらなければならないいことだけが残るようになる。つまり、人間がやる必要がないことは、プラットフォームがやってくれるようになるんです。
こうした共通のプラットフォームが発展していくと、最後に人間としてやらなければならない部分は、どんどん薄くなっていきます。
薄くなるということは、本当に集中してやるべきことだけをやればいいということです。例えば、ビジネスをやっている人であれば、このビジネスは何のためにやっていたんだっけという、本当はやりたかったことだけに立ち返ることができるようになるんですよ。だから本当の理想とか、それから信念とか、そういうものがすごく大事になってくる。
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慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科委員長、環境情報学部 教授

1955年生まれ。慶應義塾大学理工学研究科博士課程修了。84年、東京工業大学と慶應義塾大学を接続する日本初のネットワーク間接続「JUNET」を設立。88年、インターネット研究コンソーシアムWIDEプロジェクトを立ち上げ、日本におけるインターネットの普及の先頭を走ってきた。2011年、日本人初の「IEEE Internet Award」を受賞。13年、インターネット協会(ISOC)が「インターネットの殿堂」に選出。
■変更履歴
村井純氏の肩書に間違いがありました。本文は修正済みです。[2019/1/16 17:00]
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