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今回のチェックポイント
  • ●デジタル技術は「すのこ」に例えると理解しやすい
  • ●デジタル技術のプラットフォーム化が進むと夢が叶う?
  • ●「GAFA」は怖くない
ラインアップ(全13回、毎週水曜日掲載)
  • 01 理想だけを追えばいい時代が来る
  • 02 そもそも「インターネット」とは何か
  • 03 今、AIが急速に普及しているのはなぜ?
  • 04 「ブロックチェーン」の本質
  • 05 コンピューターの能力に限界は来ないのか?
  • 06 分散処理の先に来る量子コンピューター
  • 07 データが永遠に消えない世界へ
  • 08 誤解だらけの「プログラミング教育」
  • 09 ゲーム(遊び)が革新をけん引する
  • 10 「会社」がなくなる? 働き方はどう変わるか
  • 11 “空飛ぶクルマ”はインターネットと相性抜群
  • 12 インターネット前提社会を支える規制の在り方
  • 13 インターネット前提社会の未来
※タイトルなどは変更になる可能性があります
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大竹 剛(日経ビジネス):村井先生はかねて、「すのこ理論」ということをお話しになっています。これからデジタル技術が進化すると、不可能はどんどんなくなっていくという趣旨だと理解していますが、そもそも「すのこ理論」とは何でしょうか。

村井 純(慶応義塾大学教授):理論というほどでもないけれど、とにかく、いろいろな種類の技術がある中で、コンピューターやデジタル技術全般というのは、やはりいろいろな人間が道具として使う時に、その用途が限定されないというのが特徴なんです。

 それをどうして「すのこ」に例えたかというと、「すのこ」は、人間の足元に置かれる台ですよね。すのこが少しずつ高くなっていけば、人間はこれまで手の届かなかったものに手が届くようになる。それはまさに、デジタル技術と同じだなと思って、昔から「すのこ」と言ってきたんです。

 「すのこ」が積み重なっていく、つまりデジタル技術が進化していくと、だんだん人間は背が高くなっていくんです。それまで実現できなかった夢も実現できるとか、解けなかった問題も解けるようになるとか、そういうようなことが起きてくる。それが、デジタル技術のプラットフォーム化で、インターネットやコンピューターサイエンスが作っていくデジタル技術の役割だと思っています。そういう意味で、「すのこ」と言ったんです。

 そしてそれは、ある戒めでもあります。プラットフォームをつくる人間は、プラットフォームを足の裏より上にはいかせないんだぞ、つまり、人間をコントロールすることを目的とするのはやめようね、という意味も込めているんです。

大竹:そう考えると、ビジネスパーソンや経営者は、どのような視点でデジタル技術というものを捉えていったらよいと思いますか。