本郷和人が「経済」で読み解く日本史

完結
(写真 : aduchinootonosama)
10回
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#1
経済で読み解く日本史#01/土地は誰のもの?~天武・持統天皇
「経済」を視点に日本史を学び直す。先生は本郷和人・東京大学教授。第1回は「土地経済の日本史 その1」。古代日本を刷新した天武・持統天皇は「公地公民」という一大土地公有制度を断行した。しかし、…
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#2
経済で読み解く日本史#02/源平合戦と同じく大事な土地政策~源頼朝
古代日本において土地の私有は認められておらず、人々が土地を開墾しても国衙が奪いに来た。人々は「自力救済」と「寄進」で土地を守ろうと図った。ただし寄進先である都の貴族や寺社は必ずしも頼りになら…
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#3
経済で読み解く日本史#03/室町幕府が京都を選んだ理由~足利尊氏
土地経済の日本史「その3」。キーパーソンは足利尊氏だ。鎌倉幕府の草創期は商品経済が未成熟。武士たちは、日宋貿易を重視する平清盛より、土地を安堵してくれる源頼朝を選んだ。だが、商品経済が発達す…
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#4
和同開珎は最初の貨幣と呼べるのか?~平清盛/本郷和人#04
平清盛は大宰府を拠点に日宋貿易を展開した。これに使われたのは竜骨のないジャンク船。航海するためには船底に「重し」を置く必要があった。日本から中国に行くときに重しに用いたのは木材。そして、中国…
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#5
日本の元祖シーレーンは日本海と瀬戸内海~上杉謙信/本郷和人#05
今回は「貿易・流通・商品経済」の日本史。キーパーソンは上杉謙信だ。日本の流通を古くから栄えた航路は日本海航路と瀬戸内海航路だった。上杉謙信はあるモノを日本海航路を通じて売りさばき、蔵に金銀を…
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#6
楽市楽座は戦国大名の富国強兵策/本郷和人#06
今回は「戦国大名の経済政策」を取り上げる。戦に明け暮れていた印象がある戦国大名。だが、戦費を賄うべく富国政策、すなわち産業政策にも力を入れていた。特産品を生み出し、それがスムーズに流通する仕…
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#7
南蛮貿易で火薬の原料を抑える~織田信長/本郷和人#07
今回は「織田信長」を取り上げる。天武天皇の時代から「職の体系」と呼ばれる土地制度が続いてきた。土地をめぐる権利を複数の人が層を成して共有する制度だ。誰も壊すことができなかったこの体系を織田信…
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#8
茶を広め、カネにし、天下を取る~織田信長(2)/本郷和人#08
今回は「織田信長」のその2だ。お金がなければ軍事活動はできない。彼はこれをきっちり理解していた。永楽銭を旗印に掲げたのはその表れと言える。お金を稼ぐにあたって注目したものの一つが文化だ。茶の…
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#9
石見は世界の銀の3分の1を生産~毛利元就/本郷和人#09
今回は金、銀、銅の日本史だ。島根県の石見銀山は戦国時代、世界の銀の3分の1を生産する規模を誇った。宣教師が持つ日本の地図に「石見」との記述があるほどだ。この銀山をめぐって大内、尼子、毛利が争…
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#10
京・大坂に戻らず江戸を新経済圏に~徳川家康/本郷和人#10
今回は「経済圏」の日本史。日本は西国中心で発展を遂げてきた。その集大成は豊臣秀吉。京~大阪を水運でつなぐ経済圏を確立した。一方、江戸に左遷された徳川家康は天下を取っても京・大阪には帰らず、江…
講師

本郷 和人
ほんごう・かずと
東京大学史料編纂所教授
1960年生まれ。東京大学・同大学院で日本中世史を学ぶ。専門は中世政治史。史料編纂所で古代資料部門を担当する。著書に『考える日本史』『承久の乱 日本のターニングポイント』など。
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