- ●売り方はどう変わった?
- ●「恋愛」と「結婚」に例えると、どうなる?
- ●結婚型モデルでなぜデザインが重要に?
- 01 「デザイン経営」とは何か
- 02 なぜ今、「デザイン経営」が必要なのか
- 03 「デザイン経営」は“恋愛”ではなく“結婚”
- 04 世界の事例(1)~SaaS Plus a Box(米Peloton)
- 05 世界の事例(2)~D2C(米Away)
- 06 日本は世界で勝負できるか
- 07 「デザイン思考」は効果あるのか
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丸尾弘志(日経BP総研デザイン・イノベーション センター長):前回までは、「デザイン経営」とはどのようなものか、なぜ必要なのか、についてお話しいただきました。今回は、どのように実践したらいいのかについてお伺いします。
田川欣哉(Takram代表取締役):僕は、旧来の物の売り方とこれから出てくる物の売り方を「恋愛型」と「結婚型」というふうに2つに例えるのですが、今までのエンドユーザーへの製品の届け方は、クルマも家電も、恋に落ちるような形で商品を買ってもらうことが多かったのではないかと思います。
これは洋服とかを買う時もそうですよね。よく一目惚れと言われますが、気になっている異性がいて、最初は少し情報が入ってきて、その人のことを少し知るうちに興味が湧いてきて、話すようになって、最後は「えいや」という感じで告白して、恋に落ちる……。

物の売り方がそういう恋愛をやるような形で、最後にメーカーの側が告白して、「いいよ」と言ってもらって恋が始まる。そういうエキサイトメントの作り方が比較的普通に行われています。
これは広告とかも基本的にそうです。CMなどで気分を短期的に集中的に盛り上げておいて、それで例えば量販店などに行って商品を見た時に、価格が適正にコントロールされていて、さらにそこで10%オフといった値引きがなされると、背中を押されて買ってしまう。
しかしこれから出てくる物の売り方は、物を買った後にサブスクリプション(購読)型でじわじわと長期でお金をもらうので、どちらかというと「結婚」に近いんですね。
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>>Raiseでデザイン経営について議論しています
Takram代表取締役、英ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)客員教授・名誉フェロー

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