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デザイン経営を実践すると株価が2倍に

田川:デザイン自体は歴史の中では長らく「インダストリアルデザイン」や「グラフィックデザイン」という言葉があるように、比較的、意匠の部分で美しいものを作るとか、人々に心地よく使っていただけるものを作るとか、そういったことが大きな役割だったと思います。

 もう1つは、スマホのようなものが入ってきた時に、ユーザーとその企業の間の関係が昔に比べて長期的なものに変わってきました。そうした中で、特にデザインをよく活用している企業は、テクノロジーと同じようにデザインも戦略や意思決定の重要な要素に引っ張り上げることで、ユーザーから長く愛してもらえるようなプロダクトやサービスを作ることに力を入れるようになりました。

 ここの部分を分かりやすく皆さんに伝えるために昨年、経済産業省と特許庁の研究会が提言を出しています。特に、経営者の方々に「デザインって何だ」という視点を持っていただきたいという願いからスタートしたのが、『「デザイン経営」宣言』というものにまとまっています。

丸尾:『「デザイン経営」宣言』の中で面白かったのが、デザイン経営を実践している企業とそうでない企業との業績の差です。その差はかなり衝撃的だったのですが、実際にこれはどういう理由で業績に差が出ているのでしょうか。

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田川欣哉(たがわ・きんや)
Takram代表取締役、英ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)客員教授・名誉フェロー
(写真:竹井俊晴)
デザインエンジニアとしてテクノロジーとデザインに精通。トヨタ自動車「e-Palette Concept」のプレゼンテーション設計、政府の地域経済分析システム「RESAS」のプロトタイピングなどを手掛ける。グッドデザイン金賞、未踏ソフトウェア創造事業スーパークリエータ認定など。東京大学工学部卒業。英ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)修士課程修了、同校客員教授・名誉フェロー