お正月ももう間近。おせち料理の準備は、お済みでしょうか?
お正月の代名詞ともいえるおせち料理だが、周囲の声を聞く限り、「楽しみ」という人は意外と少ないような気もする。今回は「不満買取センター」が実施した「おせち料理への不満」に関するアンケート(調査期間:2016年12月7~8日/有効回答1750人=おせち料理を購入・購入予定600人、購入予定なし1150人)の結果と、代表的な意見を紹介する。
この連載、気になる話題や身近なトピックに対する「ちょっと言わせて!」を紹介するのが目的。辛口であったり多少身勝手な言い分であったりしても、広い心で受け止めていただければ。
「おせち購入(予定)者」には、少人数向けが人気
アンケートではまず、今年、おせち料理を購入する予定(または既に購入予約済み)かどうかを尋ねた。
「購入する(予定)」が34%で「購入しない」が66%。約3分の1が「購入する(予定)」との結果だった。
下図は、「購入する(予定)」と答えた人の予算を示したものだ。中心は「5001円~10000円」「10001円~15000円」となっている。
近年、おせち料理は少人数向けの小さいサイズの商品が人気だといわれる。おせち料理は従来、大勢の家族が正月三が日の間食べ続けるものだったが、最近では、夫婦2人とその子供など少人数で、大みそかの夜や元旦だけの食事として食べ切る形が増えている。
今回の調査では、購入(予定)者に、「おせち料理を何名で食べる予定か」についても尋ねた。下図がその結果だが、多くの回答が集まったのは「3人」「4人」で、次いで多かったのが「2人」。少人数でお正月を迎える場合、多くのメニューからなるおせち料理を自らつくるのは面倒といった事情もあるのだろう。
下図は、おせち料理のメニュー内容のジャンルについて尋ねた結果だ。最近では、嗜好やライフスタイルの変化に対応する形で和食にこだわらないメニューも人気とされるが、やはり中心は「和食」(61%)。ただ、「和洋中の折衷」も34%に上っている。
「豪華なおかずは嫁の口には入らない」「全体的に味がしょっぱい」
さて、おせち料理への不満だが…。まずは、料理内容に関して、「購入(予定)者」の結果から。
不満の第1位は、「自分・家族の苦手なものが入っている」。41%で、他を大きく引き離してのトップだ。代表的なコメントは、以下のようなもの。
「最近では和洋中折衷もあるけど、義父母の手前、おいしくはないが伝統的な料理を外すのも気がひける」(32歳、女性、パート・アルバイト)
「好きな料理だけが減り、美味しくなかった料理が後々残ってしまう。料理内容をチョイスして自分好みにできるようにしてほしい」(27歳、女性、専業主婦)
「子供のいる家庭ではおせちは評判がよくありません。大人向けの味付けの料理ばかりなので10代の子供でも美味しく食べられるような工夫をして欲しい」(51歳、女性、会社員)
その他の不満としては、「味が濃すぎる」(15%)、「美味しくない」(14%)、「一部のメニューの量の少なさ」(9%)、「代わり映えしない内容」(9%)と続く。
「正月期間の保存食だから、全体的に味がしょっぱい」(55歳、男性、自由業)
「味が濃いものが多くてすぐに飽きる。三日も食べられない」(21歳、女性、学生)
「薄味、中間味、濃い味、など味付け選べるおせちがほしい」(49歳、女性、会社員)
「人数分には足りない、量が少ない豪華なおかずは嫁の口には入らない。毎年悔しい」(42歳、女性、パート・アルバイト)
「海老とか、バイ貝などの美味しいものは、入っている数が少なくて不満」(33歳、女性、会社員)
「古臭い料理が多い。それぞれに意味のある料理なので仕方がないのですが。味も素朴。普段食べているもののほうがかえって贅沢ですらあるので、おせちをいただくのは新年の修業だと思っています」(54歳、女性、専業主婦)
ちなみに下図は、おせち料理を購入する予定がない回答者からの、料理内容に関する不満の結果だ。おおまかには、「購入(予定)者」が抱く不満と大きな変わりはない。
「作らないと嫁失格みたいに言われることが不満」
次に、料理内容以外に関する不満を見ていこう。まずは、「購入(予定)者」から。
下図がそのアンケート結果だが、「値段が高い」(34%)と「重箱は不必要」(25%)の二つが大きな不満であることがわかる。
代表的な不満は、以下のようなものだ。
「値段が高くてボリュームが少ない。正月だから仕方なく買っているだけ」(35歳、男性、会社員)
「立派な重箱は要らない。毎年頼むと重箱がたまっていく。捨てるにはもったいないくらい立派な重箱だし…。使い捨てにしてその分価格を抑えるべき」(51歳、女性、専業主婦)
「重箱の豪華さは求めていないので、もっと内容で勝負してほしい」(28歳、男性、会社員)
その他で挙がったのは、「カタログ・見本との差」(11%)「配送日時が読めない」(11%)「カスタマイズできない」(7%)といった不満。
「味見も出来ず、値段も高いので、賭けのようなもの。一品ずつ、味に関するわかりやすい説明がほしい」(45歳、女性、専業主婦)
「写真などを見ての予約になるので、届いた後こんなはずではなかった、と思うことがある」(66歳、男性、パート・アルバイト)
「デパートでおせち料理を頼むと、配送日が指定の二日間のどちらかといったことがあり、届くまで家から出掛けられない。通常の宅配のように時間をだいたいでいいので決めて欲しい」(44歳、女性、その他)
「年末の配送は、混むためだろうが指定時間に遅れることが多々ある。もう少し配送に工夫をして欲しい」(58歳、男性、会社員)
「種類が豊富なのは嬉しいが、自分好みではないものが必ず2品以上は入っている。何種類かある中から、数種類を選んで詰め合わせることができるというものが一般的になってほしい」(34歳、女性、専業主婦)
一方、おせち料理を購入する予定がない回答者からの、料理内容以外に関する不満を示したのが下図。
「購入(予定)者」からの回答と比べると、「おせち用材料の高騰」(19%)、「手作りへの強要感」(12%)、「作る際の時間と手間」(7%)」といった不満が特徴的だ。
「作らないと嫁失格みたいに言われることが不満」(35歳、女性、専業主婦)
「作っても旦那は食べないし、子供は乳幼児で食べられない。なのに、義父母は、お正月には手作りのおせち料理を持ってくることを強制してくる」(36歳、女性、専業主婦)
「作るのに手間がかかるわりに、食べる側には新鮮味や期待感がなく、たいして反応がない」(61歳、女性、専業主婦)
「作るのに時間がかかるわりに、いつもたくさん残る」(25歳、男性、会社員)
“おせち戦線”ではコンビニ苦戦?
最後に、「購入(予定)者」の購入先、購入(申し込み)方法に関する回答結果を紹介する。
購入先としては「スーパー」がトップで29%。以下、僅差で「デパート」(22%)、「専門店」(20%)と続く。一方、コンビニエンスストアは4%に過ぎなかった。業界としては苦戦が続くスーパー、デパートだが、ことおせち料理に関しては今でも、コンビニエンスストアが太刀打ちできない強い存在感を有しているようだ。
購入(申し込み)方法については、トップは「店舗などで直接申し込み」(46%)で、「ネットで申し込み」は27%。
利用層の年代分布の影響もあろうが、こちらに関しても、時代の流れとは少々異なる結果となっている。
いろいろな不満が寄せられたおせち料理。ただ、おせち料理について、家族や友人らとあれこれ言いながら過ごすお正月も楽しいもの。読者の皆さんも、ぜひよいお正月をお迎えください。
データ協力:
「不満買取センター」
世の中のあらゆる不満を買い取り、データ解析を通じて、企業や社会によるサービス改善や商品開発を支援している。
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