市場規模は千数百億円で、既にバレンタインデーを超えたとする推計もある「ハロウィーン」。一方で、「強制ハロウィーン」という言葉に代表されるように、マイナスイメージで語られることも増えてきた。
今回は、「不満買取センター」が実施した「ハロウィーンへの不満」に関するアンケート(調査期間:2016年10月12~13日/有効回答1033人)の結果と、代表的な意見を紹介する。
この連載、気になるトピックに対する「ちょっと言わせて!」を紹介するのが目的。少々辛口であったりピント外れであったりしても、広い心で受け止めていただければ。
「パンプキンメニューばかりでうんざり!」
アンケートではまず、「ハロウィーン商法」に関する不満を尋ねた。
不満の第1位は、「ハロウィーンのコスプレイベント化」で34%。以下、「ハロウィーン関連商品の安っぽさ」(24%)、「ハロウィーン限定お菓子の外見と中身の差」(18%)、「ハロウィーングッズのマンネリ感」(11%)と続く。
回答者の代表的なコメントは、以下のようなものだ。
「ぺらぺらな生地なのに何千円もする衣装ばかりなのが不満!」(25歳、女性、その他)
「コスプレグッズは子供のものでもちょっと高すぎる。海外製だとサイズ感が微妙に大きく、作りがすごく雑なくせに高い!」(27歳、女性、専業主婦)
「お菓子などは、包装だけハロウィーン仕様になっているだけで、中身は普段と変わらない。メーカーが儲ける為にやっているだけだと感じる」(30歳、女性、会社員)
「おせんべいまでハロウィーン仕様にして売っている。日本のお菓子なのだからハロウィーンに頼ってまで売らないで欲しい」(41歳、女性、会社員)
「この時期限定で、いろんな商品がパンプキン味になってしまうのが不満!通常の味のまま、パッケージだけハロウィーンっぽく可愛くして」(33歳、女性、専業主婦)
「スイーツのお店でも、普通の飲食店でもパンプキンメニューばかりでうんざり」(32歳、男性、会社員)
「飽きるほどの、オレンジ&黒のグッズ…」(63歳、女性、パート・アルバイト)
「ハロウィーンコーナーのグッズはほとんどがかぼちゃ関連で、バリエーションが乏しい」(50歳、女性、専業主婦)
「9・10月に目ぼしいイベントが無いため、下手すると8月の終わりからハロウィーングッズが店頭に並び始める。うんざり…」(34歳、女性、会社員)
ハロウィーンを代表する食べ物である「かぼちゃ」。クリスマスの「ケーキ」、バレンタインデーの「チョコレート」と異なり、“食材”である。多くの商品に使うことができるため、この時期に口にするものは、総じてかぼちゃ味になりがちだ。それが、一部の不満につながっているのだろう。
また、クリスマスカラーである「赤」「緑」と比べると、ハロウィーンの「オレンジ」は派手で目立つ色で、さらに、「黒」とのコントラストで強い印象を与える。その分、マイナスイメージを抱く人には、より強く作用するのかもしれない。
「棚に普通の商品を置いてください」
次に、「(ハロウィーン商法に限らない)ハロウィーン全般に関する不満」の結果を紹介する。
第1位は「ハロウィーンへの強制感」。42%で他を大きく引き離してのトップだ。
「会社でハロウィーンイベントがあり、強制参加…。たった1日のためのコスプレグッズの出費が痛く感じます。参加したい人だけのイベントにしてほしいと心から思います」(43歳、女性、パート・アルバイト)
「幼稚園でハロウィーンの仮装パーティーをするようになった。親は衣装を考えたり作ったりしなければならず、余計なイベントが増えて迷惑している」(26歳、女性、専業主婦)
「子供会でハロウィーンパーティーをするそうだ。仮装を用意するのは大変だし、グッズが後で邪魔になる」(39歳、女性、会社員)
「この時期、ハロウィーンに便乗したパッケージのお菓子とかジュースとかばかりになる。別にこちらはハロウィーンを楽しもうとはしていないのに、その商品が欲しいがために、仕方なくハロウィーンパッケージを手にしなくてはならないのが嫌」(26歳、女性、パート・アルバイト)
「店に売られているお菓子やドリンクのパッケージが、全部ハロウィーンテイストになっていたりする。普通の商品を置いておいてください」(31歳、女性、専業主婦)
「ゾンビ姿の人が、乗車拒否されてキレていた」
2位以下は、「ハロウィーン=コスプレという考え」(28%)、「ハロウィーン終了後の街の汚さ」(11%)、「過激すぎるコスプレへの不快感」(11%)と続く。
「ただただコスプレして歩くのみ。訳が分からない。交通の邪魔、エネルギーの無駄」(39歳、男性、その他)
「仮装をする若者たちが多くなってきているが、自己満足に過ぎないと思う。見ていてあほらしくなる」(59歳、女性、専業主婦)
「結局、仮装しか目的がない」(31歳、女性、パート・アルバイト)
「ハロウィーンは元々、海外では収穫を祝うお祭りなのに、日本ではコスプレ大会みたいになっている。文化を取り入れるなら、習わしや由来などをちゃんと広めてほしい」(27歳、女性、専業主婦)
「仮装した若者達が羽目を外して、犯罪につながりそうで不安」(50歳、女性、専業主婦)
「仮装したままで街を徘徊する姿がひどい。ゾンビ姿の人が、タクシーに乗車拒否されてキレていたが、自業自得だと思う。メイクは落として帰って欲しい」(44歳、男性、会社員)
「仕事帰り、疲れて電車に乗っている時に流血コスプレを目にすると、さすがにびっくりする」(42歳、女性、会社員)
「若い人が変な格好して街を闊歩するだけして、街はゴミだらけ。掃除して元通りにするまでを一連の流れとする風潮にならないものか?」(32歳、女性、会社員)
「ハロウィーン仮装パレードやイベント後は街がゴミだらけになり不満。改善されないならハロウィーンイベントは廃止してもいいと思う」(31歳、女性、専業主婦)
ハロウィーン市場の今後は?
以上、ハロウィーンに対する「みんなの不満」を紹介した。
日本のハロウィーンがコスプレイベント化した背景については、「写真映えするのでSNSへの投稿に最適だから」「日本にはもともとコスプレ文化があり、それがハロウィーンというイベントをきっかけに一般に広がった」など様々な解釈が語られる。
幼少時代にハロウィーンの“洗礼”を受けた世代は、どんどん増えている。また、こうした世代にとって、SNSは欠かせないコミュニケーションツール。ハロウィーンやコスプレを楽しむ人たちは、さらなる広がりを見せるだろう。
ただ、ハロウィーンは、カップルや家族単位で楽しむことが多いクリスマスやバレンタインデーと比べ、より大勢でのイベントとなりやすい。そのため、“輪”の外の人たちとのちょっとした摩擦も起きやすいといえる。
今週末、または10月31日にハロウィーンイベントを控えているみなさま。ゴミの適切な処理、公共空間で過度な不快感を与えないようなコスチューム着用の配慮など、マナーを守ってお楽しみを。
データ協力:
「不満買取センター」
世の中のあらゆる不満を買い取り、データ解析を通じて、企業や社会によるサービス改善や商品開発を支援している。
Powered by リゾーム?