ライバルは「びっくりする産業から」

建設中の新社屋の前で(写真=林 幸一郎)
建設中の新社屋の前で(写真=林 幸一郎)

それは産業構造が変わることを意味しませんか?半導体やソフトウエアが付加価値を決める時代になった。同様のことがクルマでも起きる?

フアン:ある程度はイエス。ただ完全にそうはならないでしょうね。

携帯電話とクルマは違うと。

フアン:もちろん、半導体とソフトウエアは非常に重要な部分を握ります。ただし、電話と違って、クルマの場合はハードウエアの比率が高いでしょう。工業デザイン的な要素がまだまだ残る。いかに美しいか、いかに居心地がいいか。将来、クルマは居場所、リビングルーム、書斎、娯楽室になりますから。

 クルマというものが、A地点からB地点に行くための手段ではなくて、「居たい場所」に変わる。だからこそ、自動車産業の将来というのは、自動車メーカーにとって非常にエキサイティングだと思います。現在の携帯電話は、昔の電話と比べて100倍豊かでしょう。クルマもきっとそうなります。

フアンさんのお話を聞いていると、自動車メーカーと半導体、ソフトウエア業界の協業が加速度的に進みそうです。「協業の時代」に、エヌビディアのライバルになるのはどこでしょう。

フアン:長期的に、極めて多くの会社がクルマ向けの半導体を売ることになるでしょう。あらゆる産業が車載分野を狙うはずです。我々のライバルはびっくりするような産業から現れるのではないかと考えています。その相手が最も手強いでしょう。

 エヌビディアはもともとグラフィックの会社でした。それがAIのリーダーになり、自動運転車を開発するなんて誰が想像したでしょう。そのような存在が、また現れるはずです。

(後編に続く)