専従チームが日系メーカーと商談

 技術開発の開始から数年経ったころ、自動車メーカーや物流企業など多くの企業が「エヌビディアは、本当にこの問題に真剣に取り組んでいる会社だ」と納得してくれたのです。その間、我々はとてつもなく大きな投資をし続けましたが。

 我々が持っているのは、半導体というハードウエアだけではありません。自動運転を実現するソフトウエアや開発環境も用意できます。実際に自動運転車を実現できる「スキル」を持つことができました。そして、ゆっくりではありますが、1社1社、「一緒に自動運転車を作る挑戦をしたい」と言ってくれるパートナーが増えていったのです。

 そして、今では多くの自動運転車のプロトタイプに当社のデバイスが搭載されています。

パートナーとして、日本の自動車メーカーをどうご覧になっていますか。

フアン:日本の自動車産業は、間違いなく世界で最も重要だと考えています。

それは、なぜ?

フアン:高級車メーカーと違い、日本の自動車メーカーは高級車から大衆車までをカバーしている。つまり、社会の多くの部分にリーチしようとしたら、我々は日本メーカーとパートナーにならなければならないわけです。日本メーカーは世界中の顧客を相手にしていて、顧客からの期待も非常に高い。

 ただし、その分、日本メーカーはハードルが高い。安全と品質を重視していて、テクノロジーが非常に優れていないと、日本メーカーが採用するのは難しいからです。

口説き文句は。

フアン:私どもは懸命な努力をしている。プラットフォームは正直に言ってまだ完全にはレディーになっていない。ただし、2年後にはレディーの状態になる。こう伝えています。

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