これまでのソフトウエアではできっこない

 ただし、自動運転車を実現するようなテクノロジーやソリューションは当時、存在しませんでした。

 数年前、ディープラーニングと人の視覚に匹敵する画像認識の能力がテクノロジーとして台頭しつつあることを“発見”した時に、これで自動運転車を実現できると確信しました。

その発見をどうビジネスに展開したのでしょう。

フアン:最初のステップは、この問題を我々がどう解決できるのか、自分たち自身でしっかりと確認することでした。

 なぜなら、自動運転車はコンピューティングの問題として非常に複雑です。世界中で最も難しい、複雑なコンピューターになると言ってもいいかもしれない。

 自分の周りにある世界を正しく認識し、合理的な判断をし、そしてそこで自分には何ができるか、何をすべきかを考え、そして安全に運転する。こんな問題はこれまでのソフトウエアやアルゴリズムではできっこない。全く新しいコンピューティングの方法が必要です。

 数学的に極めて複雑な演算が可能なスーパーコンピューターを、クルマの中の限られたスペースに搭載しなければならない。それが課題でした。つまり、超高度な能力を持つコンピューターの小型化。これが課題だったのです。

 我々がそれまでに作っていたスパコンを、ずっと小型化する必要があった。だからこそ様々な事業部門からエンジニアをかき集めて大々的なチームを作りました。

 そして数カ月ごとに、世界の多くのメーカーに対して、どのように進捗しているのかを発表し続けました。ラスベガスのCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)もその一つの場です。

 最初の質問にお答えしましょう。なぜ引き合いが多いのか。

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