売上高が前期比で2200億円も増加
2017年1月期の売上高は69億1000万ドル(約7900億円)。AI関連事業の急拡大によって、前期比で2200億円も増加した。今期に入ってさらに成長ペースが加速。瞬く間にAI時代の寵児になろうとしている。
GPUを複数搭載した自動運転用スーパーコンピューター「DRIVE PX 2」。弁当箱のサイズで、アップルの最上位ノートパソコン「マックブックプロ」150台分の処理能力を持つ。この圧倒的なスピードが、同社最大の武器だ。

同社で自動車事業を統括するロブ・チョンガー副社長は、DRIVE PX2を手に持ちながら次のように話す。
「(自動ブレーキなどの)ADAS(先進運転支援システム)と自動運転はまるで違う。極めて高性能なコンピューターが必要であり、これまでの延長線上の技術では不可能だ。全く異なる『ゲームチェンジャー』となる技術が必要であり、それがディープラーニングとGPUだ」
「我々は車載用のAI開発だけでこれまで1億ドルの投資を行い、2000人のエンジニアを雇用している。チップに加えて、自動運転用のソフトウエアを構築していて、全てオープンにしている。誰でも使える。我々が競合より数年先を走っているのは確かだ」
エヌビディアはAIにおける独特のポジションを既に獲得しつつある。半導体メーカーでありながらソフトウエアに強く、パートナーに開発環境の門戸を開き、AI開発のプラットフォームとして存在する。ファブレスという点は米アップルに、オープンプラットフォームという点では米グーグルに似る。
GPUというAI用半導体を持ち、ソフトウエア開発にも乗り出す。この「オールインワンパッケージ」が自動運転の開発で生きてくる。冒頭で見た試作車「BB8」から、エヌビディアの実力が分かる。
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