従来のフィルムカメラは、現像に時間がかかるため、撮影した写真を基に、すぐにはみんなで楽しくシェアすることはできませんでした。また、デジカメについても、撮影は素早くできるのですが、それをSNS(交流サイト)などで仲間とシェアしようと思うと、データの転送などに手間がかかりました。一方、スマホやチェキは、ネットかリアルかという違いはありますが、どちらも撮影した写真を仲間と素早くシェアして楽しむことができるのです。ちなみにチェキは、プリントした写真の余白に、メッセージを入れるなどをして楽しむ人が多く、この点でもコミュニケーション性が高いといえます。

 このようにポジショニングマップを作ってみますと、実はチェキがスマホと同じゾーンにいることがわかります。つまり、即時性で一世を風靡したデジタルカメラでしたが、SNSの普及(SNSトレンド)により写真のニーズが右側にシフトし、今度はコミュニケーション性が重視される時代になった。そこで、チェキが持っていたスマホ同様のコミュニケーション性が功を奏して大ヒットしたと考えることができるのです。顧客ニーズは、トレンドにより刻一刻と変化し、それによってブルーオーシャンのゾーンも変化していくということになのです。

地動説に倣う逆転の発想

 冒頭に紹介した「群がるブーム市場」ですが、ここまでくればその問題を理解していただけるのではないかと思います。結局、みんなが同じようなポジショニングの市場に参入し、しかも、同質的な商品・サービスで勝負してしまう。結果としてそこがレッドオーシャンに変わり、価格勝負となり薄利多売のビジネスと化してしまう。こういった現象は、最近、幾度となく繰り返されてきたことです。

 そういった中、トレンドを的確に捉える嗅覚を持ち、それまでの“常識”にとらわれなかったコペルニクスのような発想を持てば、他社に先駆けてブルーオーシャンとなるポジションを見つけ出して高い利益を確保することはできるのです。クラウド、IoT、農業など一つのブームのように見える市場の中でも、深い分析を行い、しっかりと市場のニーズを捉えることが、利益を出せるビジネスの近道になるのではないでしょうか。

(この記事は『日経トップリーダー経営者クラブ会報誌 マンスリー』2016年6月号の記事を加筆、転載しました。 編集:日経トップリーダー

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