「ブーム」と「収益性の高いビジネス」の境界がなくなってきました。クラウド、IoT、農業などの成長ビジネスに、多くの企業が先を競って参入しています。高い利益を生み出すブルーオーシャンの状態は、こういったブームを追うだけのビジネス思考からは決して生まれません。

 地球は他の惑星とともに、太陽の周りを回っている――。
 「地動説」は、今から500年以上前の16世紀に、ポーランドの天文学者、ニコラス・コペルニクスが唱えた説です。当時は、地球が宇宙の中心にあり、周りの天体は地球を中心に回っているという「天動説」が信じられていました。

コペルニクスは「地球が宇宙の中心であり、天体は地球を中心に回っている」という常識に疑問を抱き、地動説を導いた

 その中で、彼は、暦の上の季節と実際の季節のズレに疑問を抱き、先に研究していた古代ギリシャの天文学者であるアリスタルコスの研究を参考に「地動説」を導きました。当時の“常識”があった中で、あえて1つの疑問から別のロジックを導き出す行為は、現在のビジネスにも重要なヒントを与えてくれます。

 ビジネスで高い利益を生み出すためには、さまざまな要素が必要ですが、その中でも重要なのが「ブルーオーシャン」という考え方です。この言葉自体もブームですが、考え方自体は重要な概念です。ブルーオーシャンとは、競合がない未開拓の市場のことを言います。逆に競合がひしめく市場をレッドオーシャンと呼んでいます。

 さて、クラウド、IoT、農業など、多くの企業が先を競って参入している「ブーム市場」はどちらなのでしょうか。答えは簡単で、当然レッドオーシャンになります。

 もちろん、市場をくまなく観察し、市場の中におけるポジショニングに戦略を持たせれば、ブルーオーシャン状態を作り出すことも可能でしょう。ところが、現実の企業の動きを見ていると、思考の浅い戦略をベースにした判断を基に競合だらけの市場に次々に参入しているケースが多く、高い利益を確保することは難しくなっています。