「美容界のディズニーランド」と呼ばれ、顧客に感動を与える経営で知られる北九州市の美容室BAGZY(バグジー)。代表の久保華図八氏は全国で年間100回を超える講演をこなし、業種を越えて数多くの経営者からメンターとして慕われる存在だ。連載第2回は、経営者が幸せにするべき人の2人目として「お客さま」との付き合い方、ロイヤルティー・マネジメントについて語る。一番大切なことは、お客を見つめ続けることだという。

 お客さまを満足させるということを、どう考えたらいいのでしょうか。

 その1つは、お客さまと長期にわたってお付き合いするという考え方です。これを「ライフ・タイム・バリュー」と言います。

 例えば自動車を買うことで考えると、まず30歳のときに300万円のクルマを買う。5年ごとに下取りに出して同じディーラーで買い替えると仮定すると、60歳までに6台買う計算になる。300万円のクルマを6台ですから、1800万円のライフ・タイム・バリューがあると考えます。生涯の間にどれくらいのお金を使っていただけるかということです。

15歳で美容業界に入り23歳で独立するが、技術を磨くために渡米。帰国後、北九州市で繁盛店を築く。幹部社員の相次ぐ退職という危機を社員一丸となって乗り越え、社員重視・お客様本位の経営で事業を成長させる。北九州市を拠点に美容室7店舗のほか、カフェ、ネイルサロンなどを展開。大手企業や各種団体などで年間100回以上の講演を行っている。2009年、サービス産業生産性協議会『ハイ・サービス日本300選』受賞、13年、経済産業省『おもてなし経営企業選』受賞。

トップ100の常連さんには、最上級のサービスを

 ボクのお店では、お客さまに累積評価を取り入れています。1回お店に来て、2万円使ったなら「2万円」、1回のカットは5000円ですけれど、10回来たお客さまは「5万円」となる仕組みです。この累積評価がボクは大切だと考えています。

 毎年、お客さま3万人の中から、1位から3万位までのランキングを累積評価でつくっています。パソコンのキーを押したら、3万位まで全部ずらっと出るんです。そのうちトップ100に入っているお客さまには、「ブラックカード」をお渡ししています。

 このブラックカードを持っているお客さまへのサービスは最上級のものです。まず1年に1回、パーティーをして、ノベルティーをお渡ししています。まあ、今年だったら風鈴とか、オリジナルのワインとか、そういう感じのものです。

 その次の上位3000位までのお客さまには「プラチナカード」をお渡ししています。このお客さまたちも相当な常連さんです。もうちょっと詳しく説明すると、累積評価である金額に達したら「シルバーカード」になって、次は「ゴールドカード」。プラチナカードはその上ですので、さらに何十万円も使っていただいているお客さまとなります。要するに、ご利用額に応じて、サービスレベルを上げていくのです。

 ご利用額の高いお客さまになればなるほど、より良い対応を心掛ける、いわば常連主義です。結果、売り上げの7割、8割は常連のお客さまでつくられて、新規のお客さまが少しずつ入ってくる。そういうお店づくりができるのがいい会社じゃないかと思っています。