ボクの店には、今までの累計で三百数十万円以上を使っていただいているお客さまがおられます。大変ですよ、300万円といったら。仮に10年で300万円としても、年間に30万円。ということは月に2万5000円ほどにもなります。

 普通に考えたら、美容室で毎月2万5000円も使えないのではないでしょうか。それも毎月続けてです。

 実際、どうやって使っていただいているかというと、そのお客さまは自宅でシャンプーをしないのです。バグジーのことを大好きと言っていただいていて、2日に1回シャンプーのために来店していただけます。そして毎回、楽しい会話をして、一般のお客さまは受けられない特別なサービスやメニューをしていただいているのです。来れば来るほど、居心地の良い店づくりに努めています。

バグジー八幡店。くつろげる、居心地のいい店づくりのため内装や設備にお金をかけている

良いお客さまによる紹介の方は、やはり良いお客さま

 話を戻すと、累計300万円も使って10年間通ってくれているお客さまと、今日初めて来たお客さまに同じサービスをしている方が、不公平だとボクは思います。今の時代に合っていない。

 考えてみれば、競争激化の航空会社も、既に利用頻度に応じてサービスの質を変えています。それがスタンダードに行われていることからみても、こうした仕組みを導入することをぜひ考えてみてほしいと思います。

 そういうやり方を続けていると客単価が下がらないし、お客さまの層が良くなり、長いお付き合いになります。そして良いお客さまが紹介して下さる方は、やっぱり良いお客さまになっていただけますね。

 ボクらの商売のもう1つの側面に「客層は店を映す鏡」という部分があります。「あの人が来ている」というと、「あ、いい店だね」と分かる。この意味でも、良いお客さまに集まっていただこうとするならば、この常連主義を貫かないといけないということになるでしょう。

 どんな商売でも同じだと思いますけれど、1回、2回来たときを満足させるのは比較的簡単です。でも、ずっと来てもらって満足させ続けることは難しい。それができて初めて、いいお店になれると思います。そのお客さまがずっと生涯にわたって来て、毎回、満足していただける。こういうお店をつくっていかないといけないのではないかと思います。