お客さまや業者さんのように、直接関わりがなくても、地域の人たちは会社にとって目に見えない応援団なんです。

みなさんのお店や会社の近くの駅でタクシーに乗ったときに、「さん」付けされる会社にならないといけません。ボクのところで言うなら、最寄りの駅でタクシーに乗って「すみません、バグジーに行ってください」と言ったら、運転手さんが、「あ、バグジーさんですね」と言われるお店にならなければいけない。
地域で暮らしている人たちはやっぱり地元を大切に思っていますし、そこにいい会社があれば、その会社を誇りに思ってくれます。自分のお店がその地域のためにできることはないのかと考え、行動している企業のことは、いざ何かあったときには手助けしてくれるのではないでしょうか。それが「徳がある」ということなんだと思います。
お盆には、帰省した人たちが懐かしがってやってくる
ボクのお店はお盆の間、営業しています。その間は、ものすごい数のお客さんが来ます。何で来ると思いますか? それは、バグジーが懐かしいからです。
高校生のころ、バグジーで髪を切ってもらっていたけれど、大学に入って、大阪とか東京とかよそに行っている。あるいは、大人になって結婚して北九州を出て行ったけれど、お盆になって実家に帰ってきた。そういう人たちがみんなバグジーにカットに来てくれる。「10年前のあの方、辞められたんですか」なんて言ってね。
中には「私、高校生のときから、いつか来たいといつもあこがれていました」と言って来てくださる初めてのお客さまもいます。そういうときは「ああ、お店を続けてきてよかったな」と思います。
都会でも田舎でも、地域というのはそこで育った人にとって特別な場所ですよね。その特別な場所を守っていくには、地域に根を張ったお店や会社が一緒になって盛り上げていかないといけない。「儲かりそうだから」と出店して、ちょっとダメだと撤退してしまう大資本の会社とはその部分の意識が違うんです。
ボクたちは、地域のみなさんから「誇り」に思ってもらえるような店を目指しています。
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