「美容界のディズニーランド」と呼ばれ、顧客に感動を与える経営で知られる北九州市の美容室BAGZY(バグジー)。代表の久保華図八氏は全国で年間100回を超える講演をこなし、業種を越えて数多くの経営者からメンターとして慕われる存在だ。連載第3回は、経営者が幸せにするべき人の3人目として「かかわりのある業者さん」との付き合い方について語る。自分がものを買う立場になると、どうしても目上に立とうとしてしまう、その気持ちを強く戒める(前回の記事はこちら)。

 経営者が幸せにするべき人、3人目は「かかわりのある業者さん」です。

15歳で美容業界に入り23歳で独立するが、技術を磨くために渡米。帰国後、北九州市で繁盛店を築く。幹部社員の相次ぐ退職という危機を社員一丸となって乗り越え、社員重視・お客様本位の経営で事業を成長させる。北九州市を拠点に美容室7店舗のほか、カフェ、ネイルサロンなどを展開。大手企業や各種団体などで年間100回以上の講演を行っている。2009年、サービス産業生産性協議会『ハイ・サービス日本300選』受賞、13年、経済産業省『おもてなし経営企業選』受賞

 ボクの美容室でしたら、玄関マットなどを取り換えてくれる清掃会社さんや、宅配便の方々、後はもちろん、仕入先の卸会社さんなどです。こういう人たちに対して、礼を重んじる、要するに敬意を表することが大切になります。

 なぜそうするかといえば、かかわりのある業者さんを大切にすることで、応援してくれる人が増えます。自分が相手を喜ばせた分、後になって善意が返ってくるわけです。

 故人で、ある有名な陶芸家さんの言葉に、「物買って来る、自分買って来る」というものがあります。

 どういうことかというと、「物を買うときに人間性が出るんだ」ということです。

相手の立場に関係なく、きちんと礼を尽くせるか

 自分たちがお客さまとして、お金を出して何かを食べたとします。そのとき、何もかも放り出して無言で帰る人もいれば、食器をちゃんと片付けてから「おいしかったです」「ごちそうさま」と言ってお金を払う人もいる。「物を買うときに、自分の本性が出る」という言葉です。

 業者さんに対しては、どこかで自分たちの下というか、「自分たちが頼んでやっている」「おつき合いしてやっている」という気持ちが起こりやすいものです。まずその心を取り除かないといけません。

 これが心で分かっていても、なかなか実践できないものです。特に自分が会社の幹部になったり、経営者になったり、地位が高くなると、卑下する気持ちがつい、わきやすいのではないでしょうか。

 例えばタクシーに乗ったとき、「こっちの方が客だぞ。お客にそんな態度なのか?」という気持ちには簡単になります。逆に「乗せていただいている」とはなかなか思えないものでしょう。

 自分の会社にかかわりのある業者さんたちは、自分たちより下ではなくて、パートナーだと考えなければいけません。「同等なお付き合いを、こちらがさせてもらっている」という感覚がまず必要です。先ほども書きましたが、相手に対して「礼を重んじる」ということです。

 相手の立場に関係なく、きちんと礼を尽くせるかということがものすごく大切になってきます。礼を尽くすことで、業者さんたちからの応援という、目に見えない資産ができるのです。