「ロボットでロボットを作る」

 グループ各社の生産技術者を集結させるのは、互いの技術を共有しやすくすることが大きい。その拠点として郡山を選んだのは、生産技術者の教育を充実させるためだ。というのも、日本電産の工場は海外にしかなく、生産技術者がモノ作りを実体験できる場所が身近にない。一方、コパル郡山事業所にはありとあらゆる部品を製造できる設備が整っている。

 「金型は作れるしプレス加工も射出成形もできる。ないのはダイカスト(金型に溶融金属を圧入して鋳造する加工方法)くらいだったが、それも整える予定だ」(佐藤氏)

金型を製造するラインの一部。放電加工機が並ぶ(写真:野口勝宏)
部品を連続的にメッキするライン。手前の帯状に見える金属板は最終的に小さく切り離され、部品となる。メッキは専用会社に外注することも多いがコパルでは内製している(写真:野口勝宏)

 ここから読み取れる片山氏の狙いはこうだ。

 国内からどんどん工場が消えている。片山氏本人もシャープ時代、大阪府堺市に巨大な液晶工場を建設して業績悪化の一因を作るという失敗を経験した。郡山事業所もデジタルカメラ部品を中心に製造してきたため市場の縮小で生産数が激減、存亡の危機にあった。

 しかし、国内から工場を完全になくすことは技術者を日本から輩出し続けることを考えれば得策ではない。片山氏は郡山事業所の空いたスペースを活用し、ここを最先端の生産技術の拠点にしようとしている。

 さらに片山氏は郡山事業所にもう一つ、重要な役割を与えた。IoT(モノのインターネット)の最先端工場にすることだ。佐藤氏によると、片山氏は常々、こんなことを言っているという。

 「ロボットでロボットを作る」